【美容院オーナー様向け】介護施設や病院へ訪問（出張）理美容サービスの契約書作成で気を付けるポイントを解説

訪問（出張）理容（美容）サービス事業者の増加

高齢化社会が進む中、介護福祉施設への訪問美容サービスを提供するサロンは増加傾向です。

しかし、このサービスを始めるにあたっては、通常のサロン業務とは異なる様々な注意点があります。

今回は、介護福祉施設との契約や実際のサービス提供に関する重要なポイントをご紹介します。

美容院サロンのオーナー様のお役に立てれば幸いです。

法的要件と許可：訪問美容の基本

訪問美容サービスを始める前に、まず押さえておくべきは法的な要件。

美容師法第7条および美容師法施行令第4条によると、原則として美容所以外での美容サービスの提供は禁止されています。

しかし、特別な事情がある場合は例外とされており、介護施設の入居者や在宅の高齢者、障がい者への訪問美容はこの例外に該当します。

重要ポイント

• 訪問美容を行う際は、地域の保健所に届け出を行う必要がある
• 美容所の開設者が自ら訪問美容を行う場合は、美容所の開設届出時に訪問美容を行う旨を記載することで対応可能
• 従業員が訪問美容を行う場合は、別途届出が必要

契約書作成：安全な取引きのために

介護福祉施設との契約は、サービスを円滑に提供するための基礎となります。

以下の点に注意して、詳細な契約書を作成しましょう。

基本契約書と個別契約書

基本契約書には、全体的な業務内容、料金、支払い条件、契約期間、解約条件などを明記します。

そして個別契約書では、各訪問ごとの具体的なサービス内容や日時、場所を記載します。

これにより、長期的な関係と個々の訪問の詳細を両立させることができます。

ただし、必ずしも基本契約書と個別契約書で分ける必要はありません。

個別契約書の内容が分かり、かつ記録が残せるのであれば、メールのやり取りでも構いません。

提供するサービスの明確化

カット以外にも、シャンプー、カラーリング、パーマなどのサービスを提供するかどうかを明確にしましょう。

各サービスの料金体系も詳細に定めておくことが重要です。

これにより、施設側との誤解を防ぎ、スムーズなサービス提供が可能になります。

使用する設備と備品の取り決め

訪問美容では、使用する設備や備品の準備責任を明確にすることが重要です。

例えば

• 美容師側が持参するもの：はさみ、くし、ドライヤー、タオル、ケープなど
• 施設側が準備するもの：椅子、水道施設など

また、施設側が提供する場所（個室や共有スペースなど）についても明記しておくと良いでしょう。

支払い条件

支払い方法（現金、振込など）と期日を明確にします。

また、遅延や未払いの場合の対応も定めておきましょう。

例えば、支払い期限を「サービス提供月の翌月15日まで」とし、遅延の場合は延滞利息を付加するなどの条件を設定できます。

安全管理と保険：リスク対策の要

訪問美容サービスでは、通常のサロン業務以上に安全管理が重要です。

以下の点に特に注意を払いましょう。

衛生管理

厚生労働省の「出張理容・出張美容に関する衛生管理要領」に従い、徹底した衛生管理を行うことが求められます。

具体的には

• 使用する器具の消毒
• 清潔なタオルや使い捨て製品の使用
• 手指の消毒
• 施術場所の清掃と消毒

これらの衛生管理手順を契約書に明記し、施設側と共有することで、安全なサービス提供が可能になります。

保険加入

訪問美容サービスでは、施術中の事故やトラブルのリスクが高まります。

適切な保険に加入することで、万が一の際の補償を確保できます。

検討すべき保険には以下のようなものがあります。

• 賠償責任保険：施術中の事故や怪我に対する補償
• 傷害保険：美容師自身の怪我や疾病への補償

介護知識と対応：専門性の向上

訪問美容サービスを提供する上で、介護に関する知識やスキルは不可欠です。

以下の点に注意しましょう。

介護知識の習得

訪問美容師として働く際には、介護職員初任者研修や福祉理美容師の資格を取得することをお勧めします。

施術にあたり資格は必須ではありませんが、これらの資格や研修を通じて、以下のような知識やスキルを身につけることができます：

• 高齢者や障がい者の身体的特徴や注意点
• コミュニケーション技術
• 緊急時の対応
• 認知症の理解と対応

施設職員や家族との協力

介護施設の職員や利用者の家族と密接に協力することが、質の高いサービス提供につながります。

利用者の状態や性格、好みなどの情報を共有し、それぞれの利用者に適した対応を心がけましょう。

トラブル防止と対応：安全なサービス提供のために

訪問美容サービスでは、様々なトラブルが発生する可能性があります。

以下の点に注意し、トラブルの予防と適切な対応を心がけましょう。

トラブル防止策

• 施術中に利用者が暴れるなどのリスクに備え、家族や施設職員の立ち会いを依頼することをお勧めします。
• 利用者の健康状態や特別な注意事項を事前に確認し、適切な対応を準備しましょう。
• 施術前に、利用者や家族の希望をよく聞き、期待と実際のサービス内容にずれが生じないようにします。

トラブル発生時の対応

トラブルや事故が発生した場合の対応方法を契約書に明記し、責任の所在を明確にしておくことが重要です。

例えば

• 軽微なトラブル（髪型の不満など）：無償での修正対応
• 健康被害：即時の応急処置と医療機関への連絡
• 器物損壊：賠償責任保険の適用

また、緊急時の連絡体制を整備し、速やかな対応ができるようにしておきましょう。

個人情報保護とプライバシー：信頼関係の基盤

訪問美容サービスでは、利用者の個人情報を適切に管理することが非常に重要です。

以下の点に注意しましょう。

個人情報の取り扱い

• 個人情報保護法を遵守し、利用者の情報を適切に収集、使用、保管、廃棄します。
• 契約書に個人情報保護に関する条項を含め、情報管理の方針を明確にします。
• サロンのスタッフに対して、個人情報保護の重要性を教育し、適切な取り扱いを徹底させます。

プライバシーへの配慮

• 施術中の会話や個人情報の取り扱いには十分注意し、他の利用者や職員に聞こえないよう配慮します。
• 施術記録や個人情報が記載された書類は、安全な場所に保管し、不要になった場合は適切に廃棄します。

品質保証と苦情処理：サービス向上への取り組み

高品質なサービスを提供し、顧客満足度を高めるためには、品質保証と適切な苦情処理が欠かせません。

サービス品質の保証

• サービスの品質基準を設定し、それを満たさない場合の対応を定めます。例えば、「お客様満足度90%以上」という目標を設定し、定期的にアンケート調査を実施するなどの方法が考えられます。
• 品質基準を満たさなかった場合の対応（再施術、割引など）も明確にしておきましょう。

苦情処理のプロセス

• 苦情受付窓口を設置し、利用者や施設からの声を積極的に聞く姿勢を示します。
• 苦情処理のプロセスを明確化し、迅速かつ適切な対応を心がけます。
• 苦情の内容と対応結果を記録し、サービス改善に活用します。

緊急時の対応：安全第一の姿勢

訪問美容サービスでは、利用者の体調急変や事故発生など、緊急事態に遭遇する可能性があります。

以下の点に注意し、適切な対応ができるよう準備しておきましょう。

緊急時の対応

• 利用者の体調急変や事故発生時の対応手順を明確にし、スタッフ全員で共有します。
• 基本的な応急処置の方法を学び、必要な備品（救急箱など）を常備しておきます。
• 施設とサロン双方で、緊急時の連絡先リスト（施設の担当者、近隣の医療機関など）を作成し、定期的に更新します。

まとめ：訪問美容サービスの成功に向けて

今回は、美容院サロンのオーナー様に向けて出張美容サービスの契約書を作るときのポイントを解説しました。

介護福祉施設への訪問美容サービスは、高齢化社会において大きな可能性を秘めたビジネスです。

しかし、その成功のためには、法的要件の遵守、適切な契約の締結、安全管理、介護知識の習得、トラブル対策など、多くの要素に注意を払う必要があります。

これらの点に十分に配慮し、質の高いサービスを提供することで、利用者の満足度を高め、施設との良好な関係を築くことができます。

また、このような取り組みは、あなたのサロンの評判を高め、新たな顧客獲得にもつながるでしょう。

訪問美容サービスは、単なるビジネスチャンスではありません。

それは、美容を通じて高齢者や障がい者の方々のQOL（生活の質）向上に貢献する、社会的意義の高い仕事です。

この記事で紹介した点を参考にしていただきながら、あなたの技術と心遣いで、多くのご高齢者に笑顔と喜びをもたらしてください。

訪問（出張）理美容サービスの契約書作成はお任せください

弊所は、訪問（出張）理美容サービスの面貸し契約書の作成を得意としております。

• 訪問（出張）理美容サービスを始めたい
• ネットで訪問（出張）理美容サービスのひな型を探したが見つからなかった
• ネットで拾った契約書を見ながら自分なりに作ってみたが、法的に問題ないか心配だ
• これを期に、使い古された契約書を見直したい
• AIで面貸し契約書を作ったが抜けや漏れがないか不安。リーガルチェックだけしてほしい

この様なことでお困りのサロンオーナー様は、今すぐ弊所にご相談ください。

しっかりとヒアリングをおこなったうえで、質の高い契約書を作成します。

ネットで拾えるようなペラペラなものではなく、貴社オリジナルの契約書です。

高品質な契約書を用いて、ビジネスを安全かつ効率的に進めましょう。

しっかりとヒアリングをおこなったうえで、質の高い契約書を作成します。

ネットで拾えるようなペラペラなものではなく、貴社オリジナルの契約書です。

高品質な契約書を用いて、ビジネスを安全かつ効率的に進めましょう。

LINEで簡単！全国どこからでも対応致します。

最初だけ、メールまたはLINEでお問い合わせください。

詳しいお話は電話でお伺いします。