ユキマサくん飲食店の2店舗目を出すにあたって、店長を正社員で雇うと人件費がきついんだよね。
独立志向の強い人に「業務委託でお願いしたい」と思ってるんだけど、実際に業務委託契約書を作成するにあたり何か気をつけることはあるかな?



飲食店の店長を業務委託で起用するケースは増えていますが、契約書の作り方を誤ると偽装請負や労務トラブルに発展するリスクがあります。
ポイントを押さえておきましょう。
飲食店の店長を業務委託で起用すると、人件費や社会保険の負担を抑えられ、優秀な人材を柔軟に活用できます。
ただし、スタッフへの指示や売上金の管理など業務範囲が広い分、雇用との境界線が曖昧になりやすく、契約書の作り方を誤ると偽装請負や労務トラブルに発展するリスクがあります。
今回は、飲食店オーナーや飲食チェーンの運営会社向けに、店長を業務委託で起用する際のリスクと、契約書を作成するときのポイントを解説します。
カフェ・居酒屋・ファストフードなど、業態が違っても契約書作成の本質的な部分は同じです。
飲食店オーナー・飲食チェーン運営会社・複数店舗を展開している経営者・店長候補を業務委託で起用したい方
飲食店で店長を業務委託にする場面とは



そもそも、どんな飲食店が店長を業務委託で起用してるの?



多店舗展開のオーナーや、独立志向の強いスタッフを抱えているお店でよく見られますね。具体的な場面を見ていきましょう。
業務委託が選ばれる主な理由
飲食店で店長を業務委託で起用する背景には、主に次のような理由があります。
- 多店舗展開で店長の確保が追いつかない
新店舗をオープンするたびに正社員の店長を採用していると、時間もコストもかかります。すでに信頼関係のある人材を業務委託で起用すれば、スピーディに体制を整えられます。 - 人件費・社会保険料の負担を抑えたい
正社員として雇用すると、給与に加えて社会保険料(健康保険・厚生年金)の会社負担分が発生します。業務委託であれば、この負担がなくなります。 - 独立志向の強いスタッフを引き留めたい
「いずれ独立したい」と考えているスタッフに対して、業務委託という形で店舗運営を任せるケースがあります。独立の練習として店長業務を経験してもらいながら、オーナーも店舗を回せるという関係です。 - 特定のスキルを持つ人材を柔軟に起用したい
- 調理経験が豊富なフリーランスや、すでに個人事業主として活動している料理人などを、雇用ではなく対等な事業者として起用したい場合にも業務委託が選ばれます。
業務委託と雇用、どう使い分けるか
業務委託は「コストが安くなる」という理由だけで選ぶと、後々トラブルになりやすいです。
重要なのは、相手が「独立した事業者として店舗運営を担える人材かどうか」という点です。
たとえば、次のような場合は業務委託との相性がよいといえます。
- すでに個人事業主として活動しており、確定申告も自分でやっている
- 複数の取引先を持っており、特定のオーナーに依存していない
- 作業の進め方や判断を自分の裁量で決められる
- 自分の道具・設備を持っている(調理器具・POSシステムの知識など)
逆に、次のような場合は業務委託ではなく雇用契約を選ぶほうが適切です。
- シフトや勤務時間をオーナーが細かく決めたい
- 調理方法や接客マナーまで細かく指示したい
- 他の仕事を掛け持ちしてほしくない
- 毎日出勤してほしい



「コストを抑えたいから業務委託にする」という発想は危険です。
実態が雇用に近ければ、契約書の名称がどうであれ、偽装請負と判断されるリスクがあります。
業務委託は「任せ方」がそもそも雇用と違う、という認識を抑えておきましょう。
雇用契約との違いを抑えよう



業務委託と雇用契約って、具体的に何が違うの?



一番の違いは「指揮命令関係があるかどうか」です。
雇用契約はオーナーが細かく指示を出せますが、業務委託は結果を求める代わりに、やり方は相手に任せる関係です。
業務委託契約と雇用契約は、似て非なるものです。特に飲食店の店長業務のように、現場での判断が多い仕事では、両者の違いを正確に理解しておく必要があります。
| 項目 | 業務委託契約 | 雇用契約 |
|---|---|---|
| 指揮命令関係 | 基本的になし(結果のみ要求) | オーナーが細かく指示できる |
| 報酬の性質 | 業務の成果・内容に対する対価 | 働いた時間に対する賃金 |
| 社会保険 | 会社負担なし(本人が国民健康保険等に加入) | 健康保険・厚生年金を会社が折半負担 |
| 働く時間・場所 | 原則として本人が決める | オーナーが指定する |
| 業務の進め方 | 本人の裁量で決定 | オーナーの指示に従う |
| 税務・確定申告 | 本人が確定申告・納税 | 会社が源泉徴収・年末調整 |
| 労働基準法の適用 | なし | あり(残業代・有給休暇など) |
飲食店の店長業務で特に問題になる点


上の表を見ると、業務委託と雇用の違いは明確に見えます。しかし飲食店の現場では、この線引きが難しくなりやすいです。
たとえば、次のような指示や管理をしてしまうと、雇用関係に近いと判断されるリスクがあります。
- 「毎日10時から店に入って」と出勤時間を固定する
- 「接客はこのマニュアル通りにやって」と細かい作業手順まで指定する
- 「他の仕事は受けないで」と専属を求める
- 「1時間ごとに売上を報告して」と逐一の進捗管理をする
業務委託として適切な関係を保つには、「何をしてもらうか」は明確にしつつ、「どうやってするか」は相手に委ねる姿勢が大切です。
たとえば次のような依頼の仕方であれば、業務委託として自然な関係といえます。
- 「営業時間中の店舗運営を任せます」と結果ベースで依頼する
- 「月次で売上・クレーム・スタッフ状況を報告してください」と成果報告を求める
- 「衛生基準と接客品質の最低ラインは守ってください」と最低限の基準だけ示す
- 「他の仕事との掛け持ちは自由です」と独立事業者としての自由を認める



契約書にどう書くかよりも、実際の業務の進め方が雇用に近くなっていないかが重要です。
契約書の文言だけ業務委託にしても、実態が雇用であれば偽装請負と判断されます。
次の節でリスクを詳しく見ていきましょう。
飲食店特有のリスクと注意点



飲食店ならではのリスクって、どんなものがあるの?



大きく5つあります。
偽装請負のリスクはもちろん、売上金の管理や食中毒事故の責任など、飲食店特有の論点がいくつかあるので、順番に見ていきましょう。
1. 偽装請負と判断されるリスク
飲食店の店長業務は、シフト管理・スタッフへの指導・調理・接客・売上管理など、業務の幅が非常に広いです。そのため、オーナーが細かく関与しすぎると、実態が雇用関係と変わらなくなりやすいです。
偽装請負と判断された場合、次のような問題が発生します。
- 過去にさかのぼって社会保険料の納付を求められる
- 未払い残業代の請求を受ける
- 労働基準監督署の調査が入る
- 店長側から労働者としての権利(有給休暇・解雇制限など)を主張される
契約書に「業務委託契約」と書いてあっても、実態が雇用に近ければ偽装請負と判断されます。契約書の名称ではなく、実際の働き方が問われます。
2. 売上金・レジ管理の取り扱い
飲食店では、店長が日々の売上金やレジを管理することが多いです。
業務委託の場合、この部分の取り決めが曖昧だと、横領や使い込みのリスクだけでなく、責任の所在が不明確になる問題が生じます。
契約書では、次の点を明確にしておく必要があります。
- 売上金の締め・入金のタイミングと方法
- レジ差異が発生した場合の責任の範囲
- 売上データの報告頻度と報告先
- 現金の保管方法と鍵の管理
売上金はオーナーの資産であるため、管理のルールをしっかり契約書に落とし込んでおくことが大切です。
3. 食材仕入れ・取引先との関係
店長に仕入れを任せる場合、取引先との契約関係や支払いの責任がどちらにあるかを明確にしておく必要があります。
曖昧にしたままだと、次のようなトラブルが起きることがあります。
- 店長が独断で高額な食材を仕入れ、オーナーが支払いを求められる
- 契約終了後も取引先との関係が続いてしまい、処理が複雑になる
- 仕入れ先との取引名義がオーナーなのか店長なのか不明確になる
仕入れの権限と上限金額、取引先との契約名義については、契約書に明記しておくことをおすすめします。
4. スタッフへの指示と指揮命令の線引き
飲食店では、店長がアルバイトや社員スタッフに指示を出すことが日常的に発生します。しかしここで問題になるのが、店長が「オーナーの代わりに指揮命令を行使している」状態になりやすいという点です。
業務委託の店長がスタッフに指示を出す場合、その指示はあくまで「店舗運営の一環として店長自身の判断で行うもの」である必要があります。
オーナーから受けた細かい指示をそのままスタッフに伝えるだけの存在になってしまうと、業務委託としての独立性が失われます。
契約書では、店長がスタッフに対してどこまでの権限を持つかを明確にしておくことが重要です。
- シフト作成・調整の権限を店長に委ねるか否か
- スタッフの採用・解雇に関与するか否か
- スタッフ教育の範囲(接客・調理の指導まで含むか)
5. 衛生管理・食中毒事故時の責任
飲食店では、食中毒や異物混入などの事故が発生した場合、その責任の所在が問題になります。
業務委託の店長に店舗運営を任せている場合、オーナーと店長のどちらが責任を負うのかを明確にしておかないと、トラブルが深刻化します。
食品衛生法上の責任はオーナー(営業許可の名義人)が負う一方で、日々の衛生管理を実際に行うのは現場の店長です。この点を契約書でどう整理するかが重要です。
- 食品衛生法上の管理責任はオーナーにあることを明記する
- 店長の故意または過失による事故は店長が賠償責任を負うと定める
- 衛生管理マニュアルの遵守を契約上の義務として課す
- 損害賠償に備えた賠償責任保険への加入を義務化する



食中毒が起きたときの責任まで契約書に書いておく必要があるんだね。考えてなかったな。



飲食店は特に食の安全に関わるので、事故時の責任分担は必ず盛り込んでおいてください。
次の節では、これらのリスクを踏まえたうえで、契約書に入れるべき条項を具体的に解説します。
業務委託契約書に入れるべき条項5つ



実際に業務委託契約書を作るとき、どんな条項を入れればいいの?



飲食店の店長業務委託契約書で特に重要な条項を5つ解説します。条文例も参考にしてみてください。
1. 業務内容の明確化
業務委託契約書でまず大切なのは、「何をお願いするか」を具体的に書くことです。
「店長業務一式」とだけ書いてしまうと、後から「その業務は聞いていない」「ここまでやるとは思わなかった」といったトラブルが起きやすくなります。
甲は乙に対し、次に定める店舗運営業務を委託し、乙はこれを受託する。
(1)営業時間中の店舗全般の運営管理
(2)アルバイト・パートスタッフへの業務指示および教育
(3)食材・消耗品の発注および在庫管理(上限◯万円/月)
(4)売上金の締め・管理および甲への報告
(5)衛生管理および清掃の監督
(6)クレーム対応の一次対応
ただし、スタッフの採用・解雇、メニューの変更、取引先との新規契約締結は本業務に含まないものとする。
「ただし書き」で店長に任せない業務を明記しておくことも重要です。採用・解雇やメニュー変更など、経営判断に関わる部分はオーナーが握っておくことで、店長の独立性を保ちながら経営権も守れます。
2. 独立事業者性の確認(偽装請負対策)
業務委託契約である以上、店長が「独立した事業者」であることを契約書上で明確にする必要があります。この条項は偽装請負と判断されるリスクを減らすうえで欠かせません。
本契約に関して、甲と乙の間には雇用関係は存在しない。乙は独立した事業者として、自らの判断と責任において本業務を遂行するものとする。乙に係る所得税その他の税金、社会保険料(国民健康保険・国民年金等)は乙が自ら申告・納付するものとし、甲はこれらを負担しない。
この条項を入れても、実際の働き方が雇用に近ければ偽装請負と判断されます。契約書の文言だけでなく、日々の業務の進め方もあわせて見直してください。
3. 売上金・備品・情報の管理
飲食店の店長は、売上金・備品・顧客情報など、オーナーの財産に日常的に関わります。これらの管理ルールを契約書で定めておかないと、トラブル発生時に責任の所在が曖昧になります。
1. 乙は、営業終了後、売上金を所定の方法により締め処理し、翌営業日までに甲の指定する口座へ入金するものとする。
2. 乙は、甲から預託された備品・設備を善良な管理者の注意をもって管理するものとする。
3. 乙は、業務上知り得た顧客情報・売上情報・仕入れ情報を第三者に開示せず、本業務以外の目的に使用してはならない。
4. 禁止事項(直接契約・引き抜きなど)
飲食店の店長は、スタッフや取引先と密接な関係を築きます。契約終了後に店長が独立して近隣に同業店を出したり、スタッフを引き抜いたりするケースは少なくありません。こうしたリスクを防ぐため、禁止事項と競業避止義務を明確にしておく必要があります。
乙は、本契約の履行にあたり、以下の行為を行ってはならない。
(1)甲の顧客・取引先と乙個人として直接契約を締結すること
(2)甲のスタッフを乙または第三者のもとへ勧誘・引き抜くこと
(3)甲の営業秘密(メニュー・仕入れ先・顧客情報等)を第三者に開示すること
(4)契約終了後◯年以内・甲店舗から半径◯km以内において、同種の飲食業を自ら営み、または第三者のために従事すること
競業避止義務は、期間・地域・業務の範囲が広すぎると公序良俗違反として無効になる可能性があります。合理的な範囲に収めることが重要です。
5. 報酬体系と支払い条件
報酬の決め方は、業務委託であることを示すうえでも重要な要素です。時給や日給のような時間に対する報酬ではなく、業務の内容や成果に対する報酬として設計する必要があります。
1. 甲は乙に対し、本業務の対価として月額◯◯万円(税別)を支払うものとする。
2. 売上目標を達成した場合、甲乙協議のうえ別途インセンティブを支払うことができる。
3. 前項の報酬は月末締めとし、翌月◯日までに乙の指定する銀行口座へ振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。
飲食店の店長業務委託で多く使われる報酬体系は次のとおりです。
| 報酬体系 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 月額固定制 | 毎月一定額を支払う | 業務範囲が安定している場合 |
| 月額固定+売上インセンティブ | 固定報酬に売上連動の加算あり | 店長のモチベーションを高めたい場合 |
| 売上歩合制 | 売上に応じて報酬が変動する | 店舗の売上規模が読めない場合 |



時給や日給で払うと雇用っぽく見えるんだね。月額や歩合のほうが業務委託らしい報酬体系なんだ。



報酬の形式は判断要素のひとつですが、それだけで決まるわけではありません。
時間に対する対価のような報酬設計は、雇用関係を補強する要素になります。
月額固定や売上連動など、業務の成果に対する対価という形にしておくのが無難です。
ただし報酬の形式がどうあれ、実際の指揮命令関係や時間的・場所的な拘束の程度が総合的に判断されることを忘れないでください。
作成時によくある失敗例



契約書を作るとき、どんなミスをしやすいの?



飲食店の店長業務委託契約書でよくある失敗を3つ紹介します。
いずれも「あとから気づいた」では済まないものばかりなので、事前にしっかり確認しておきましょう。
1. 契約期間と更新・解除の条件を決めていない
業務委託契約書に契約期間や解除条件を定めていないケースがあります。口約束で「とりあえずやってみて」とスタートしてしまうと、後から次のようなトラブルが起きやすくなります。
- オーナーが契約を終了しようとしたら「突然やめさせるのはおかしい」と店長に主張される
- 店長が急に「来月から辞めます」と言い出し、後任が決まる前に現場が回らなくなる
- 契約期間が曖昧なまま長期化し、実態が雇用に近いと判断されるリスクが高まる
契約書には、契約期間(例:1年間・自動更新あり)、更新の手続き、解除できる条件(重大な契約違反・営業上の理由など)、解除時の通知期間(例:1ヶ月前までに書面で通知)を明記しておくことが必要です。
特に飲食店では、繁忙期に店長が突然離脱すると店舗運営に直接影響します。
引き継ぎ期間の確保についても契約書に盛り込んでおくと安心です。
2. 報酬が時間換算になっている
「1日◯時間勤務で月◯万円」という形で報酬を決めてしまうケースがあります。一見わかりやすいですが、これは「時間に対する対価」として設計されており、雇用関係を補強する要素になります。
また、実態として次のような問題も起きやすいです。
- 「今月は予定より多く働いたから追加報酬を払え」と請求される
- 「時間管理をしているなら残業代も払うべきだ」と主張される
- 欠勤控除の扱いをめぐって揉める
報酬は「店舗運営業務の対価として月額◯◯万円」のように、業務の内容に対する対価として設計するのが基本です。売上インセンティブを加える場合も、時間ではなく成果に連動させる形にしましょう。
3. スタッフへの指揮命令を制限していない
業務委託の店長がアルバイトや社員スタッフに指示を出すことは、店舗運営上避けられません。
しかし、この部分のルールを契約書に定めていないと、オーナーとの間で認識のズレが生じやすくなります。
特に問題になりやすいのは、次のようなケースです。
- 店長がオーナーの承認なくスタッフのシフトを大幅に変更してしまう
- 店長がスタッフに対してオーナーの方針と異なる指示を出し続ける
- 店長が独断でスタッフを増やし、人件費が膨らむ
一方で、スタッフへの指示をオーナーがすべて管理しようとすると、今度は店長の裁量がなくなり、業務委託としての独立性が失われます。
契約書では、「店長が自己の判断でスタッフに指示できる範囲」と「オーナーの承認が必要な範囲」を明確に分けておくことが重要です。たとえば次のように整理できます。
| 店長が自己判断でできること | オーナーの承認が必要なこと |
|---|---|
| 日々の業務指示・調理・接客の指導 | スタッフの採用・解雇 |
| シフトの微調整(週単位) | シフトの大幅変更・人員の増減 |
| 食材の通常発注(上限金額以内) | 上限金額を超える仕入れ・新規取引先の開拓 |
| 軽微なクレームへの一次対応 | 損害賠償が生じる可能性のあるクレーム対応 |



「任せる部分」と「握っておく部分」を最初に整理しておくことが大事なんだね。



そうですね。
この線引きが曖昧なまま契約してしまうと、後からお互いの認識のズレが表面化してトラブルになります。
契約書を作る前に、オーナー自身が「どこまで任せたいか」を整理しておくことが、良い契約書を作る第一歩です。
まとめ



いろんな注意点があったけど、結局どこが一番大事なの?



「契約書の文言」より「実際の任せ方」です。
どれだけ丁寧な契約書を作っても、日々の業務の進め方が雇用に近ければ意味がありません。
契約書と実態をセットで整えることが大切です。
今回は、飲食店オーナーや飲食チェーンの運営会社向けに、店長を業務委託で起用する際のリスクと契約書作成のポイントを解説しました。
最後に、押さえておくべき重要事項をまとめます。
- 業務内容を具体的に定める
「店長業務一式」ではなく、担当する業務と除外する業務の両方を列挙しましょう。認識のズレはほぼここから生まれます。 - 独立事業者性を契約書と実態の両方で示す
契約書に「雇用関係ではない」と書くだけでは不十分です。実際の業務でも、作業方法の細かい指示や出勤時間の固定など、雇用に近い関与は避けましょう。 - 飲食店特有のリスクを契約書に盛り込む
売上金の管理ルール、食材仕入れの権限と上限、食中毒事故時の責任分担など、飲食店ならではの論点を忘れずに入れましょう。 - 禁止事項と競業避止義務を明確にする
スタッフの引き抜きや顧客情報の流用、近隣での独立など、契約終了後のリスクにも備えておきましょう。範囲が広すぎると無効になる可能性があるため、合理的な範囲に収めることが重要です。 - 報酬は業務の成果に対する対価として設計する
時間に対する対価のような報酬設計は雇用関係を補強する要素になります。月額固定や売上連動など、成果ベースの報酬体系を選びましょう。ただし報酬形式だけでなく、指揮命令関係や拘束の程度が総合的に判断されることも忘れずに。 - 契約期間・更新・解除の条件を決めておく
「とりあえずやってみて」でスタートすると、いざ契約を終了しようとしたときに揉めます。引き継ぎ期間の確保も含めて、契約書に明記しておきましょう。
飲食店の店長業務委託契約書は、雛形をそのまま使うだけでは対応しきれない論点が多いです。
自社の業態や店舗規模、任せる業務の範囲に合わせて内容を調整することが大切です。
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