契約書と約款の違いを正しく理解してる?契約場面に応じた使い分けを解説

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ユキマサくん

契約書と約款の違いがよく分かっていないんだよね。
細かい字でたくさん書いてあるのが約款っていう認識で合ってる?

純さん

確かに約款は字が細かいですけど、その認識は間違っていますよ。

「契約書」と「約款」について、その違いを正しく理解している方は少ないのではないでしょうか。

どちらも『契約』に結びつくものですが、両者の違いを正しく理解せずに契約書を作成してしまうとビジネスでは大きな損失を被ることがあるので注意が必要です。

今回は契約書と約款の違い、そして両者の使い分け方を分かりやすく解説していきます。

特に、企業の法務部門の方や契約場面の全てに自分が立ち会うような社長に向けて、実践的な内容をお届けします。

目次

契約書と約款:基本的な違い

まずは、契約書と約款の基本的な特徴と違いを見ていきましょう。

契約書の特徴

  • 個別の取引や関係に合わせてカスタマイズできる
  • 両当事者で話し合って内容を決める
  • 通常、サインや判子を押すことで効力が発生する
  • 細かい条件や特別な約束事を含むことが多い

約款の特徴

  • 一般的でパターン化された取引条件を定めたもの
  • 会社側が一方的に作って提示する
  • たくさんのお客さんとの取引に使える
  • 簡単な同意や取引を始めることで効力が発生することが多い

主な違いのポイント

  • 作り方:
    契約書は交渉して作る、約款は一方的に作る
  • 使う範囲:
    契約書は個別の取引、約款は同じような取引をたくさんする時に使う
  • 柔軟性:
    契約書は状況に応じて変えられる、約款は基本的に同じ内容を使い回す
  • 細かさ:
    契約書の方が、より細かい条件を書き込むことが多い

2. 目的別の使い分け方

では、実際にどんな場面で契約書や約款を使えばいいのでしょうか?

具体的な例を挙げながら、それぞれの使い方を見ていきましょう。

契約書を使うべき場面

個別の重要な取引

例:企業間の大規模取引
「ここ大事!」と思うような取引では、お互いの言い分をしっかり聞いて、細かいところまでハッキリさせておきたいですよね。
「あれ?こんなはずじゃなかったのに…」このようなトラブルを避けるためにも、きちんと話し合って契約書を作成することが重要です。

長期的なビジネス関係

例:業務提携

提携先と長期的に良好な関係を築くことが目的ですから、細かいことは最初に契約書でしっかり決めておく必要があります。
「こんなつもりじゃなかった」とか「そんな約束してない」なんて言い合いになったら大変ですよね?
このため未来のリスクまで考えて、細かいところまで契約書で決めておく必要があるのです。

複雑な権利義務関係

例:知的財産権のライセンス契約

要するに「誰が何をしていいの?」をハッキリさせる必要があるためです。特に知的財産権は曖昧にしておくと後々トラブルの元になりかねません。このため細かいところまで契約書で定めておく必要があるのです。

カスタマイズが必要な取引

例:売買取引

売買契約に限った話ではありませんが、一般的な契約は一つ一つ状況が違いますよね。
目的物、種類、数量も違えば、取引場所も違う。
このため約款では対応できません。

約款を使うべき場面

一般消費者との日常的な取引

例:銀行取引

銀行取引は、毎日たくさんの人が利用しますよね。一人一人と細かい契約を結んでいたら、それこそ銀行が機能しなくなっちゃいます。
このためみんなに同じ条件で分かりやすく提示する必要があります。そして約款を用いると安全な取引きを担保しながら、効率的に手続きすることができます。

大量の同種取引

例:オンラインサービスの利用規約

ネットサービスは利用者が何万人、何十万人といるわけですよね。それぞれと個別に契約を結ぶなんて現実的ではありません。
このため、みんなに同じルールを適用して、公平に扱うためにも約款が便利です。

標準化された商品・サービス

例:電気・ガス・水道などの公共サービス契約

公共サービスは基本的にみんな同じように使いますよね。このため、一人一人と細かい契約を結ぶ必要がありません。
むしろ、同じ条件で公平にサービスを提供するためにも、約款のような形でルールを決めておくのが適しています。

定型的な取引条件が適用できる場面

例:レンタカーサービス

レンタカーを借りるときは基本的にいつも同じような条件で借りますよね。
車種は違っても、借りる時のルールはだいたい同じ。
このため毎回細かい契約を結ぶよりも、同じ条件をみんなに適用した方が、お客さんにとってもレンタカー会社にとっても分かりやすく効率的です。

契約書と約款の使い分けのポイント

少額取引でも契約書が有効・重要です

ここまで見てきて、「じゃあ、どっちを使えばいいの?」と悩む場面もあるかもしれません。

そんな時は、次のポイントを押さえておくと良いでしょう。

  1. 取引の重要性
    大切な取引、金額が大きい取引、会社の将来に関わるような取引なら、契約書がおすすめ。
  2. 取引の頻度
    毎日たくさんの人と同じような取引をするなら、約款の方が効率的。
  3. カスタマイズの必要性
    一つ一つの取引で条件が大きく変わるなら契約書基本的に同じ条件で良いなら約款が適しています。
  4. 相手との関係
    長期的なパートナーシップを結ぶなら契約書、一般消費者相手なら約款が適していることが多いです。
  5. 法的リスク
    トラブルが起きた時の影響が大きいと予想される場合は、細かい条件を決められる契約書の方が安心。

契約書と約款を組み合わせる

実は、契約書と約款を上手く組み合わせて使うことも可能です。

例えば、基本的な条件は約款で決めておいて、特別な条件だけ個別の契約書で追加するという方法があります。

具体例を挙げると、ソフトウェアのライセンス契約など。

基本的な利用条件は約款(利用規約)で定めておいて、企業向けの特別なサポートや機能については個別の契約書で取り決めるみたいな感じです。

こうすると効率的に取引を進めながらも、必要に応じて柔軟な対応ができます。

まとめ

今回は契約書と約款の違い、そして両者の使い分け方を解説しました。

契約書と約款、一見似ているようで実は大きな違いがあることが分かりましたね。

  • 契約書は個別の取引や複雑な関係に
  • 約款は大量の同種取引や標準化されたサービスに

というのが基本的な使い分けになります。

しかしこれはあくまでも基本であり、実際のビジネスでは状況に応じて柔軟に対応することが大切です。

状況に応じて時には行政書士や弁護士など専門家のアドバイスを受けることも良いでしょう。

契約や取引のルール作りは、トラブル防止の第一歩。

この記事を参考に、自社のビジネスに最適な方法を見つけてください。

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