著作権の保有表明©コピーライト表示は必ず必要?©表示の効力と活用方法、®商標マークとの違いを解説

copyright-registered-mark
ユキマサくん

実は今まで、著作権表示(©マーク)と商標登録マーク(®)の違いを分かっていないくせに知ったかぶってたんだよね。

純さん

ユキマサくん、作曲家なのに2つの違いを知らないのは流石にマズイですよ。

音楽や映画などのエンタメビジネスや、メディアや広告業界で働くビジネスパーソンにとって、著作権表示(©マーク)と商標マーク(®)の理解は避けて通れません。

今回は、両者のもつ効力や活用方法について解説します。

目次

著作権表示(©マーク)とは

著作権表示、通称©マークは、作品が著作権で保護されていることを示すシンボルです。

しかし、多くの人が誤解しているのは、この表示が著作権保護のために必須だと考えていることです。

著作権表示は必須ではない

結論から言えば、著作権表示は必須ではありません。

日本の著作権法では、著作物は創作した時点で自動的に保護されます。

これを『無方式主義』といいます。

つまり、©マーク表示の有無にかかわらず、作品を制作した者が自動的に著作権者となり法的に保護されるのです。

なぜ著作権表示をするのか

では、なぜ多くの企業や個人が著作権表示を行うのでしょうか。

主な理由は以下の通りです。

  1. 権利の主張: 作品が保護されていることを明確に示すため
  2. 抑止力: 著作権を侵害しようとする者に警告を与えるため

著作者=著作権者ではない

よくある勘違いとして、著作者=著作権者、と認識しているケースがあります。

©著作権表示は、著作者ではなく著作権者が誰であるかを表していることに注意しましょう。

著作者と著作権者の違い

著作者

  • 著作物を創作した人物を指します
  • 例えば、絵画を描いた画家や小説を書いた作家などが該当します。

著作権者

  • 著作権(著作財産権)を有する者を指します
  • 原則として著作者が著作権を取得しますが、著作権譲渡や職務著作などにより、著作者以外の人物や法人が著作権者となる場合があります。

著作権者が著作者と異なる例

  1. 著作権譲渡: 著作者が自身の著作権を他者に譲渡した場合。
  2. 職務著作: 会社の従業員が業務として作成した著作物で、一定の条件を満たす場合、会社が著作者かつ著作権者となります
  3. 映画の著作物: 特定の条件下で、映画製作者が著作権を取得します
  4. 著作者の死後: 著作権が相続人に移転する場合。

したがって、©マークの後に記載されている名前や会社名は、必ずしも著作物の創作者(著作者)を示すものではなく、著作権を保有している者(著作権者)を示しています

著作権の管理や利用許諾を行う権利を持つのは著作権者であり、©マークはその権利者を明示する役割を果たしています。

©著作権表示の効力

著作権表示には法的な拘束力はありませんが、実務上重要な役割を果たします。

©著作権表示の効力

  • 無断利用の抑制
    ©著作権表示は、「この作品にはこの人(会社や団体を含む)に著作権がありますよ!」とアピールすることができます。これを見た人は、著作物の無断利用を控えるようになります。
  • ライセンス交渉の円滑化:
    権利者が明確になることで、利用許諾の交渉をする際、実務がスムーズになります。
  • ブランド価値の向上: オリジナルコンテンツであることをアピールできます。

3. 著作権表示の活用方法

効果的な©著作権表示の方法について見ていきましょう。

基本的な表示方法

© [年] [権利者名]

例:© 2024 株式会社ユキマサくん

応用的な表示方法

  1. 複数年にわたる場合:
    © 2020-2024 株式会社ユキマサくん
  2. All Rights Reserved の追加:
    © 2024 株式会社ユキマサくん All Rights Reserved.
  3. ライセンス情報の追加:
    © 2024 株式会社ユキマサくん Licensed under CC BY-NC-SA 4.0

表示場所

  • ウェブサイト:フッター、About ページ
  • 印刷物:奥付、裏表紙
  • デジタルコンテンツ:メタデータ、ファイル名

®商標マークとの違い

著作権表示(©)と商標マーク(®)は、しばしば混同されますが、全く異なる目的を持っています。

商標マーク(®)とは

®マークは、その商標が法的に登録されていることを示します。

著作権とは異なり、商標権を得るには特許庁に審査の申請をし、審査を通過したら登録料を支払うことで商標として登録されます。

主な違い

保護対象:

  • © : 創作的な表現(文章、音楽、絵画など)
  • ® : 商品やサービスを識別するための標識(企業のロゴ、ブランド名など)

取得方法:

  • © : 創作と同時に自動的に発生
  • ® : 特許庁への出願と審査を経て登録

保護期間

  • © : 原則として著作者の死後70年
  • ® : 10年ごとの更新で半永久的に維持可能

使用制限

  • © : 表示は任意
  • ® : 表示は努力義務

®商標マークの表示は義務ではない

なお、®商標マークは、日本では義務づけていません。

第73条(商標登録表示)

商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、経済産業省令で定めるところにより、指定商品若しくは指定商品の包装若しくは指定役務の提供の用に供する物に登録商標を付するとき、又は指定役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該指定役務の提供に係る物に登録商標を付するときは、その商標にその商標が登録商標である旨の表示(以下「商標登録表示」という。)を付するように努めなければならない

このように、商標法では®商標登録表示は努力義務となっております。

また、®商標登録表示がなくても罰則を受けることはありません。

例えば、あなたがアニメ『アンパンマン』を見た感想をブログで書く際、®商標登録表示が抜けていたからと言って罰則を受けたりしないでしょう。

しかし、®商標登録表示は、商標登録されていることを対外的にアピールすることで第三者が商標を無断使用することを抑制できるため、表示しないよりはした方が良いといえるでしょう。

まとめ

今回は、著作権表示(©)と商標マーク(®)表示の効力と活用方法、®商標マークとの違いについて解説しました。

これらの表示は、知的財産を保護し、ビジネスの価値を高めるための重要なツールです。

©著作権表示は法的には必須ではありませんが、権利の主張や侵害の抑止に役立ちます。

一方、®商標登録表示は登録商標であることを示す重要な指標です。

両者の違いを理解し、適切に活用することで、自社の知的財産を効果的に保護し、ビジネスの競争力を高めることができます。

知的財産の適切な管理と活用は、現代のビジネス環境において不可欠です。

著作権表示(©)と®商標登録表示、両者の違いについて正しい知識を備え、ビジネスを安全かつ円滑に進めましょう。

著作権に関するご相談は、弁護士または行政書士へ、
商標権に関するご相談は、弁護士または弁理士

著作権と商標権の正しい知識が不可欠な業界
  • エンターテインメント業界
    映画、音楽、テレビ番組の制作会社:コンテンツの制作・配信において著作権が重要なため、著作権侵害を防ぐための教育が不可欠。
    ゲーム業界:ゲーム開発やデザイン、音楽の使用において著作権が関連します。
    出版業界:書籍、雑誌、電子書籍の著作権管理やライセンスが必要。
  • クリエイティブ業界
    広告業:広告やデザインの制作に関して、第三者の著作物を適切に使用するための知識が必要。
    グラフィックデザイン、ウェブデザイン:画像やフォントなどの素材の著作権を理解し、正しく利用するために教育が求められます。
    写真家、映像制作者:自らの作品の保護と、他者の作品の利用についての理解が重要。
  • IT・テクノロジー業界
    ソフトウェア開発者:ソフトウェアのライセンスやコードの使用に関して、著作権やオープンソースライセンスの知識が不可欠。
    プラットフォーム運営者:ユーザー生成コンテンツの管理に関して、著作権侵害を防ぐ責任が求められます。
  • 教育・学術機関
    学校・大学:教育現場で使用する教材や学術論文の著作権を適切に扱うため、教員や学生に対する著作権教育が重要。
    研究者:研究成果や論文の著作権管理についての理解が求められます。
  • メディア・ジャーナリズム
    新聞社、テレビ局、オンラインメディア:記事や映像、写真の使用に関する著作権の取り扱いが非常に重要です。
  • Eコマース・マーケティング業界
    オンラインショップ運営者:他者の製品写真やレビュー、コンテンツの使用に関して著作権の知識が必要。
    ソーシャルメディアマーケティング:コンテンツのシェアや再利用に際して、著作権の理解が重要。
  • 人材育成・社員研修業界
    配布する研修資料自体の著作権に関する取扱いを定める必要があります。
    研修に用いるスライドにイラストや写真などの素材の利用に関して著作権の知識が必要。

著作権契約書の作成、著作権登録、著作権研修の開催はお任せください

弊所は、貴社の著作権に関する様々な問題を解決します。

  • 著作権が絡む権利関係を上手く契約書に落とし込みたい
  • 自分の著作物(著作権)を登録したい
  • 自社で開発したプログラムの創作年月日を登録したい
  • 社員に著作権研修を実施してコンプライアンス意識を高めたい

このようなケースでお悩みの事業者様は今すぐご相談ください。

しっかりとヒアリングをおこなったうえで、最適な解決方法をご提案します。

著作権に関する正しい知識を用いて、あなたの事業を安心・安全に推進しましょう。

LINEで簡単!全国どこからでも対応致します。

最初だけメールまたはLINEでお問い合わせください。

詳しいお話は電話やZoomでお伺いします

対応可能な契約書類

商取引に関する契約書

  • 動産売買契約書
  • 土地売買契約書
  • 土地建物売買契約書
  • 継続的売買契約書
  • フランチャイズ契約書
  • 特約店契約書
  • OEM契約書
  • 販売代理店契約書
  • 秘密保持契約書(NDA)
  • 事業譲渡契約書
  • 企業主導型保育従業員枠共同利用契約書
  • M&Aアドバイザリー契約書
  • 継続的商品売買契約書
  • スポンサー契約書
  • 営業代行委託契約書

賃借に関する契約書

  • 建物使用貸借契約書
  • 建物賃貸借契約書
  • 定期建物賃貸借契約書
  • 定期借地権設定契約書
  • 事業用定期建物賃貸借契約書
  • 駐車場賃借権契約書
  • 社宅借り上げ契約書

賃金と担保に関する契約書

  • 債権譲渡契約書
  • 金銭消費貸借契約書
  • 抵当権設定契約書
  • 代物弁済契約書
  • 準消費貸借契約書
  • 集合動産譲渡担保契約書
  • 質権設定契約書

請負・業務委託契約書

  • 業務委託契約書
  • 建設工事請負契約書
  • 不動産管理委託契約書
  • コンサルタント契約書
  • システム開発契約書
  • 営業委託契約書
  • ヘアーサロン美容師業務委託契約書
  • ヘッドスパセラピスト業務委託契約書
  • ネイリスト業務委託契約書
  • アイリスト業務委託契約書
  • ヘアサロン・美容室面貸し契約書
  • ヨガ・ダンス教室業務委託契約書
  • 給食提供業務委託契約書
  • 訪問歯科医療委託契約書
  • 動画制作業務委託契約書
  • 声優・ナレーター動画出演委託契約書
  • ライター業務委託契約書
  • 脚本(シナリオ)執筆委託契約書
  • SNS運用代行契約書
  • 動画・舞台出演契約書
  • コールセンター業務委託契約書
  • システム・機械保守メンテナンス契約書
  • セミナー・講演会・出演契約書
  • イラスト制作業務委託契約書
  • 写真家・フォトグラファー業務委託契約書
  • ダンス・舞踊創作の委託契約書
  • デリヘル店業務委託契約書
  • マッサージ、リラクゼーションサロン業務委託契約書
  • レンタル彼女キャスト業務委託契約書
  • オンライン事務(バックオフィス)代行サービス業務委託契約書
  • 社員研修講師委託契約書
  • 研修の外部講師との業務委託契約書
  • 音楽教室の講師業務委託契約書
  • 料理教室の講師業務委託契約書

労働に関する契約書

  • 雇用契約書
  • 労働者派遣基本契約書
  • 入社・退社誓約書
  • 身元保証契約書
  • 出向契約書
  • 専属マネジメント契約書
  • 著作権譲渡契約書
  • 著作権利用許諾契約書

家族・近隣に関する契約書

  • 贈与契約書
  • 死因贈与契約書
  • 境界確定契約書
  • 遺産分割協議書
  • 夫婦財産契約書
  • 任意後見契約公正証書
  • 通行地役権設定契約書
気に入ったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
目次