【研修会社・研修講師向け】社員研修の委託契約書の作成方法と注意点を解説

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ユキマサくん

社員研修を専門に行う会社を立ち上げたんだけど、クライアントと交わす契約書がまだ完成していないんだよね。
どんな点に気を付ければいいかな?

純さん

おめでとうございます。
社員研修の契約書では、禁止事項、不保証条項、著作権の帰属先、中途解約条項などが特に重要ですね。

ユキマサくん

ニャるほどね。
じゃあ具体的にどんな風に書けばいいの?

純さん

はい、それでは今回は研修会社や研修講師の方向けに、社員研修の委託契約書の書き方と注意点を解説します。

コロナ禍が明けたことや、Zoomなどのオンライン研修では精度に限界があることなどから、対面式・集合型の社員研修が活気を取り戻しつつあります。

研修会社や研修講師の方は、この機会に使い古された契約書を見直してみませんか?

研修会社が外部講師と業務委託契約を交わす際の契約書については以下の記事を参考にしてください。

目次

社員研修の委託契約書で問題になりやすい事項

社員研修委託契約書

[委託者]株式会社●●●●(以下「甲」という。)と[受託者]◎◎◎◎(以下「乙」という。)は、以下のとおり、社員研修委託契約書(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(目的 

甲は、乙に対し、以下のテーマに添った社員研修(以下「本研修」という。)を委託し、乙はこれを受諾する。

  • 新入社員接遇マナー向上研修
  • その他、前号に関連する業務

費用負担

研修費用は事前に定めますが、旅費、交通費、テキスト印刷費用、研修場所への資料の送料など具体的に契約書に盛り込んでいますか?

「えっ?それは御社が負担するべきじゃないの?」

こんな事態にならないように、研修会社とクライアント、どちらがどの費用を負担するのか明確に契約書に定めておきましょう。

研修中の責任

研修の講師と従業員は労使関係はありません。

しかし研修期間中、研修会社や講師はクライアントを長期間に渡り管理する立場にありますので、クライアントに対して使用者に近い又は同等の安全配慮義務を負います。

この安全配慮義務条項を契約書に盛り込んでいますか?

具体的には研修会社や講師が、使用者と連帯して労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法などの法令上の責任を負い、研修期間中は適切な労務管理を負う旨を定めます。

研修会社や講師の立場としては『安全配慮義務』は極力避けたいとお考えでしょう。

しかし、クライアントにとってはこの条項が盛り込まれている方が安心して契約できますし、あなたへの信頼度も向上するでしょう。

禁止行為

研修中の禁止行為を定めていますか?

研修風景の録音・録画行為や、SNSやインターネットなどへの投稿、研修を妨害する行為などを禁止事項として明記します。

ただし、営業研修や接遇マナー向上研修等ではロールプレイングの場面をビデオ撮影することがあります。

この場合、事前協議のうえ、撮影を許諾する場合は例外事項として契約書に盛り込んでおく必要があります。

もっともビデオ撮影をおこなった場合は、その映像の著作権の帰属先を合わせて定めなければなりません。

合わせて撮影動画の著作権の帰属先も定めてる必要があります。

著作権の帰属先

社員研修では、研修会社が受講者に様々な資料を配布します。

この資料の著作権と著作者人格権の取り扱いを契約書で定めていますか?

著作権とは、例えば研修会社がクライアントに対して「研修資料を無断で複製するな!」と言える権利。

著作者人格権とは、例えばクライアントが配布した研修資料を取引先との商談に用いるときに「配布した資料の内容を無断で修正したり改変するな!うち(研修会社・研修講師)の氏名を必ず表示しろ!」と言える権利を指します。

多くの研修現場では、研修中に用いる資料等の著作権はクライアントに譲渡し、著作者人格権は研修会社や講師が「行使しない」とするケースが多いようです。

理由は、著作権譲渡ではなく『利用許諾』に留めた場合、資料を複製したり商談で二次的に使用する場合、その都度、クライアントは研修会社や講師に利用許諾や複製の許可を得なければならず、双方にとって現実的ではないからです。

このように著作権をクライアントに譲渡し、かつ著作者人格権を行使しない旨を規定する場合は、契約書に以下の条項を記載します。

第〇条(著作権の帰属)
1 本研修遂行に際して提供する資料の一切の著作権(著作権法27条及び28条の権利を含む)は、本研修終了時に乙から甲に移転する。
2 乙は、甲に対し、研修資料について著作者人格権を行使しないものとする。

なお【著作権】という権利は第三者に譲渡することができますが、【著作者人格権】は譲渡することができません。

このため譲渡ではなく「行使しない=不行使」という表記になっています。

著作権と著作者人格権の違いについては下記の記事を参考にしてください。

表明保証

研修の実施にあたり、研修会社がクライアントから事前に資料やデータを受け取る場面が多くありますよね?

研修会社や講師は、受け取った資料やデータをもと研修を組み立てるわけですが、これら資料やデータが著作権を侵害するものでないことを表明し、保証してもらう必要があります。

これを『表明保証』といいます。

クライアントに表明保証をしてもらうことで、研修会社や講師は受け取った資料やデータをもとに安心して研修資料を作成することができるようになります。

もっとも表明保証条項を契約書に盛り込んだからと言って、第三者の著作権を100%侵害していないことにはなりません。

何か問題があったり実損を被った場合は、別途損害賠償規定に基づいて賠償請求する形になります。

免責事項

「おたくを信用して高い報酬を払って社員研修を頼んだのに、一向に営業利益が改善しないじゃないか!」

研修会社や講師としては、こんなクレームだけは避けたいですよね?

このような事態を避けるために、契約書で『免責事項』を定めましょう。

免責事項とは、「このような場合であってもうち(研修会社・講師)は責任を負いませんよ」と規定することです。

具体的には、研修実施後のクライアントの営業成績の向上や従業員満足度の向上など。

研修会社や講師は全力で研修を実施するが、その後の結果については異議申し立てはできない旨を規定することで、トラブル低下を見込めます。

中途解約

クライアントから研修を受注して、当日に向けて資料を作り、ホテルを予約し、荷物も郵送した。

ところが前日になってクライアントから突然「明日の研修はキャンセルしたい」「研修はまだ実施していないから報酬は支払わないよ」と言われたらどうしますか?

泣き寝入りだけはしたくないですよね?

クライアントからの突然のキャンセルは『中途解約』条項を設けることで予防・回避できます。

具体的には、研修当日より1か月前までならキャンセル費用は発生しない。

14日前までの通知なら報酬の50%のキャンセル料、

前日や当日のキャンセルなら100%、などと定めます。

これにより突発のキャンセルを防止し、万が一直前でキャンセルされても準備に要した相当の費用をクライアントに請求することができます。

印紙税について理解する

最後に、社員研修の委託契約書を交わす際の印紙税について理解しておきましょう。

一般的な社員研修の委託契約書は『準委任契約』に該当するため印紙税は不要です。

ただし、研修会社や講師がクライアントから何か成果物の制作を委託されるような場合は、請負契約に該当し、契約金額に応じた印紙税の貼付が必要です。

印紙税は、契約書のタイトルではなく、その内容によって貼付の必要性が分かれますので注意してください。

まとめ

今回は、研修会社やフリーで研修をおこなう講師の方向けに、社員研修の委託契約書の作成方法と注意点を解説しました。

今回解説した項目は特に重要ですから、しっかりと抑えておきましょう。

  • 研修費用負担の所在
  • 研修中の責任の所在
  • 研修中の禁止行為
  • 研修資料の著作権の帰属先
  • 表明保証
  • 免責事項
  • 中途解約

もちろん、その他損害賠償条項や第三者委託に関する条項も需要です。

これらについては、以下の記事を参考にしてください。

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