集客アップを狙って、経営者仲間と共同でYoutubeチャンネルを立ち上げようと思うんだ。
万が一、相手方とトラブルが起きたときに備えて契約書にはどんな条項を盛り込んでおけばいいかな?
Youtubeチャンネルの共同運営では、収益の分配率や動画の著作権の取り扱いが重要ですよ。
近年、企業のマーケティング戦略として他社と共同でYouTubeチャンネルを立ち上げ、集客を図るケースが増えています。
しかし共同運営でありながら、報酬の分配率や動画の著作権の帰属先など、重要な部分を明確にしないままスタートすると、後々トラブルに発展する可能性も少なくありません。
本記事では、Youtubeチャンネル共同運営契約書の作成方法と実際の契約書で気を付けるポイントを6つ解説します。
1.運営方針を巡るトラブル
想定されるトラブル例
- 共同運営者の一方が独断で企画や出演者を決定してしまう
- 投稿頻度や予算について意見が対立する
- 収益化のための施策について合意が得られない
YouTubeチャンネルの共同運営では、日々様々な意思決定が必要となります。
特に、チャンネルが成長期に入ると、投資すべき金額や方向性について意見が分かれやすくなります。
例えば、一方はより質の高い機材への投資を主張し、他方は広告宣伝費の増額を求めるといった状況が想定されます。
また、企業案件の受注が増えてくると、案件の選定基準や出演者の決定権限など、これまで想定していなかった判断も必要になってきます。
こうした対立を防ぐため、契約書では以下のように条項を盛り込むことがお勧めです。
本チャンネル制作にかかわる事項ついては、以下の事項を含め、全て甲乙合意の上で決定する。
(ア) 運営方針、本動画の企画・脚本・ゲスト選定、投稿本数及び投稿スケジュール
(イ) 予算及び丙との報酬額の決定及び予算超過時の追加負担の取り扱い
この条項を盛り込むことで、重要な意思決定をする際は、必ず両者の合意が必要となります。
実務上は、週次や月次の運営会議を設定し、事前に議題を共有した上で、建設的な議論を行うことが推奨されます。
また緊急時の意思決定プロセスについても、あらかじめ定めておくと良いでしょう。
2. 外注の制作会社とのトラブル
想定されるトラブル例
- 制作会社との連絡が不透明になる
- 一方のパートナーが制作会社に無断で修正を依頼
- 制作物の品質について パートナー間で評価が分かれる
動画制作を外部委託する場合、制作会社とのコミュニケーションは非常に重要です。
特に、複数のパートナーが個別に制作会社とやり取りを行うと、指示が錯綜したり、スケジュールに影響が出たりする可能性があります。
実際のトラブル事例として、一方のパートナーが制作会社に「もっとテンポよく編集して」と直接依頼し、他方のパートナーが意図していた「じっくり解説」というコンセプトと相反する事態が発生するケースがあります。
こうした対立を防ぐため、契約書では以下のように条項を盛り込むことがお勧めです。
1. 丙との連絡及び調整又は丙への指示・修正依頼は、甲が代表して行うものとする。
2. 甲は、丙から提供された本動画、データ及び情報について、一切の改変を加えることなく、全て乙へ開示する。
この条項を盛り込むことで、制作会社との窓口を一本化し、外注の制作会社とスムーズな動画制作を目指します。
実務では、制作会社との定例ミーティングを設定し、両パートナーが参加することで、方向性の齟齬を防ぐことができます。
3. 費用負担を巡るトラブル
想定されるトラブル例
- 一方が費用負担を履行できなくなる
- 予算超過時の追加負担について揉める
- 支払いが遅延する
チャンネル運営が軌道に乗るまでは、継続的な投資が必要となります。
しかし、当初の想定以上に費用がかかったり、収益化までに時間がかかったりすることで、費用負担に関するトラブルが発生することがあります。
特に、クオリティ向上のための追加投資や、予期せぬ機材の故障による支出など、想定外の費用が発生した際に、負担の取り決めが明確でないと深刻な対立に発展する可能性があります。
こうした対立を防ぐため、契約書では以下のように条項を盛り込むことがお勧めです。
1. 本チャンネル運営及び本動画制作にかかわる全ての費用は、甲及び乙が折半して負担するものとする。
省略
3. 乙は、前項による請求書を受領した日の翌月●日限り、甲の指定する銀行口座へ振込み支払うものとする。
4. 甲又は乙のいずれかが費用負担を履行できない場合、相手方は催告の上、本契約を解除することができるものとする。
この条項を盛り込むことで、費用負担の基準が明確になり、支払遅延を防止し、不履行時の対応も明確にします。
実務上は、月次予算を設定し、予算超過が見込まれる場合は早期に協議を行うことなどがお勧め。
また、緊急時の支出に備えて、一定額の予備費を設定しておくことも有効です。
4. 収益分配を巡るトラブル
想定されるトラブル例
- 広告収入以外の収益(スポンサー収入等)の分配方法で揉める
- 収益の計算や支払いが不透明になる
- チャンネルの成長に伴い分配率の見直しを求められる
YouTubeチャンネルの収益源は、広告収入だけではありません。
企業案件、スポンサーシップ、グッズ販売など、様々な収益機会が存在します。
チャンネルが成長するにつれて、新たな収益源が生まれる可能性もあり、それぞれの分配方法について明確な取り決めが必要です。
また、一方のパートナーの知名度や影響力が増大した場合に、収益分配率の見直しを求められるケースも考えられます。
こうした対立を防ぐため、契約書では以下のように条項を盛り込むことがお勧めです。
1. 本契約に基づき発生する全ての収益(本動画の二次利用を含む)は、甲乙折半とする。
2. 本チャンネルから発生する広告収入の分配スケジュールは、以下のとおりとする。
(ア) 計算期間:毎月1日から月末まで
(イ) 報告期限:翌月●日まで
(ウ) 支払期限:YouTubeからの入金確認後●日以内
3.省略
4. 収益の分配率及び分配スケジュールについては、●期毎に見直し、甲乙協議のうえ決定する。
この条項の特徴は、基本的な分配率を定めつつ、定期的な見直しの機会を設けている点です。
これにより、チャンネルの成長や協業先との運営状況の変化に柔軟に対応することが可能となります。
実務では、収益報告の様式を標準化し、計算の透明性を確保することが重要です。
5. 著作権・二次利用を巡るトラブル
想定されるトラブル例
- 一方が独断で動画をTikTokやInstagramに転載してしまう
- 動画内で使用した楽曲やイラストの権利関係が不明確
- コラボ動画を相手の承諾なく編集して別コンテンツを作成
- 動画の一部を切り出してショート動画を作成する際の権利関係
- 他社から動画の素材使用許諾の依頼があった際の判断
- 書籍化や商品化の話が来た時の権利関係
こうした著作権に関するトラブルは、チャンネルが成長するにつれて増加する傾向にあります。
特に、マルチプラットフォーム展開やコンテンツの二次利用が一般的となっている現在、明確な取り決めがないと深刻な対立に発展する可能性があります。
YouTubeの動画コンテンツには、様々な種類の著作権が発生します。
具体的には、
動画自体の著作権
動画コンテンツは、撮影された映像、編集、音声、テロップなど、複数の要素から構成される著作物です。
これらは撮影・編集された時点で自動的に著作権が発生します。
例えば、企業のプロモーション動画として二次使用する場合や、動画の一部を切り出して使用する場合にも、この権利が関係してきます。
翻案権(著作権法第27条)
翻案権(著作権法第27条)
これは、既存の著作物を基に新たな著作物を作成する権利です。
例えば、人気動画シリーズを書籍化する場合や、動画コンテンツを基にしたマンガを制作する場合などが該当します。近年では、長尺動画からショート動画を作成するケースも、この権利に関係する可能性があります。
二次的著作物の利用権(著作権法第28条)
翻案によって作られた新たな著作物を利用する権利です。
例えば、動画から作成したショート動画を異なるプラットフォームで公開する場合や、書籍化された作品を電子書籍として配信する場合などが該当します。
これら著作権に関するトラブルを防ぐため、契約書では以下のように条項を盛り込むことがお勧めです。
1. 本チャンネルの運営権は甲が代表して有し、本チャンネル及び本動画から発生する著作権を含む全ての権利は甲に帰属するものとする。
2. 乙は、本チャンネル及び本動画から発生する著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む。)を相手方へ行使しないものとする。
3. 本動画の二次利用については、甲乙協議の上で決定する。
このような、著作権が絡む条項においては、以下の点に注意が必要です。
- 事前承認プロセスの確立
定例会議での二次利用計画の共有や、緊急時の承認プロセス(メールでの承認など)を明確にしておくことで、スムーズな運用が可能となります。 - 利用規定の明確化
日常的な運用において、どのような使用なら事前承認が不要か?どのような場合に要協議とするか?報告のみで良い範囲はどこまでか?などを明確にしておくことが重要です。 - 収益分配の基準
二次利用による収益の分配方法や、一方のみが実施する二次利用の場合の取り扱い、外部からの利用申請における利用料の設定なども、あらかじめ決めておく必要があります。
なお、2項の著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む。)は、著作権を相手方に譲渡する場合に必須記載事項です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
6. 契約終了時のトラブル
想定されるトラブル例
- 既存動画の取扱いで対立
- 終了後の収益分配が滞る
- チャンネルの承継を巡って争いになる
共同運営でスタートしたYoutubeチャンネルは、ビジネス環境の変化や、パートナー間の方向性の違いなど、予期せぬ事態により終了することもあります。
特に問題となるのが、既存コンテンツの取り扱いです。
例えば、一方が動画を削除したいと考え、他方が存続を望むケースや、終了後の収益分配について争いになるケースなどが考えられます。
また、チャンネルに付随する資産(登録者、ブランド、ノウハウなど)の取り扱いについても、明確な取り決めが必要です。
これらの課題に対応するため、契約書では以下のような条項を盛り込むことがお勧めです。
1.本契約終了前に公開された動画による広告収益は、本契約終了後が甲の分配率するものとする。
2.本契約期間中に制作した動画は原則として公開を維持するものとする。
3.本契約終了後における、本チャンネルから発生する広告収益は全て甲に分配するものとする。
実務的には、以下の点に注意して運用しましょう。
- 契約終了時の引継ぎプロセス
- アカウント管理権限の移行手順
- 進行中の案件の取り扱い
- 視聴者への告知方法
- データ・資料の取り扱い
- 編集素材やプロジェクトファイルの保管
- 企業案件の報告書や実績資料の管理
- 視聴者データや分析情報の取り扱い
- 契約解消後の運営方針の合意
- コメント対応の主体と方法
- 新規案件への対応方針
- チャンネル名やブランドの使用規定
まとめ
今回は、Youtubeチャンネル共同運営契約書の作成方法と実際の契約書で気を付けるポイントを解説しました。
- 意思決定プロセスの明確化
日常的な運営から重要な判断まで、誰がどのように決定するのかを明確にすることで、スムーズな運営が可能になります。 - 制作会社との関係性の整理
窓口の一本化と情報共有の徹底により、効率的な制作体制を構築できます。 - 費用負担と収益分配の明確化
予算管理から収益分配まで、具体的な基準とプロセスを定めることで、金銭トラブルを防止できます。 - 著作権と二次利用の取り決め
権利関係を明確にし、柔軟な展開を可能にする一方で、適切な管理体制を構築することが重要です。 - 契約終了時の取り扱いの明確化
将来の円滑な解消に向けて、具体的な手順と基準を定めておくことが必要です。
これらの点は必ず抑えておきましょう。
また、できあがった契約書は放置することなく、定期的に契約内容を見直すことも重要です。
契約書は、トラブル予防のためのツールであると同時に、チャンネルの共同運営の指針にもなります。
せっかく見つけたパートナーとの共同運営ですから、ウィン・ウィンの関係を維持しつつ、より良いチャンネル運営が実現できるようにしましょう。
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