[NDA]秘密保持契約書を作成するときに気を付けたい7つのポイントを解説

nda
ユキマサくん

来月からニャンニャン商事と新規で取引きを開始するにあたり、事前に秘密保持契約書を締結することになったんだ。
作成にあたり気を付けるポイントはあるかニャ?

純さん

秘密保持契約書は、情報漏洩・不正競争防止のための重要な契約書です。
作成にあたり気を付けるポイントを7つ紹介しますね。

目次

[NDA]秘密保持契約書とは

秘密保持契約書とは、英語のNon–Discosure Agreementの頭文字をとって[NDA]とも呼ばれます。直訳すると「非開示契約」。

ビジネスでは相手方企業と取引きを開始すると多くの秘密情報をやり取りすることになります。

[NDA]秘密保持契約書は、このやり取りする秘密情報の漏洩、不正利用を防止することを目的として作成されます。

とりわけ、業務提携(委託)契約やM&A取引では、契約の締結前に当事者間である程度の情報を開示し合う必要があるため、取引きの開始前に契約を締結するケースが多いと言えます。

[NDA]秘密保持契約書を作成する時に気を付けるポイント

それではここから、実際に[NDA]秘密保持契約書を作成していく時に気を付けるポイントを7つ解説します。

タイトル

タイトル(見出し)については、民法上決まりはありませんが『秘密保持契約書』と明記しておきましょう。

当事者はもちろん第三者が見ても分かりやすいためお勧めです。

開示者と受領者

通常、契約書の当事者は『甲や乙』と表現されることが多いですが、[NDA]秘密保持契約書は少し勝手が異なります。

秘密情報は、開示する側(開示者)と開示される側(受領者)の2つに分類されますが、契約の内容によっては立場が異なります。

例えば、甲は開示するだけ、乙は開示されるだけ、と限定する場合もあれば、双方が互いに開示し合うこともあります。

この様に、開示する側とされる側を明確にするために、[NDA]秘密保持契約書では、開示する側を開示者、開示される側を受領者、と明記します。

「開示者と受領者」、主語により冒頭以後の内容が全く逆になることがありますので、この点を常に意識しならが作成することが重要です。

秘密情報の定義

当事者同士で開示される情報の中で、どの様な情報を『秘密情報』と定義するのか?を定めます。

秘密情報に該当しなければ当然秘密義務を負う必要がありませんので、できるだけ詳細に定める必要があります。

しかし契約書面で想定されうる事項を全て記載するのは現実的ではありません。

一般的には、先に秘密情報に含まれる事項を記載し、後で例外事項を設けます。

第○条(秘密情報)
本契約における秘密情報とは、●●●●●の目的(以下「本目的」という。)のために開示者より提供される情報のうち、次の各号の一に該当する情報をいう。
(1)  書面、物品又は電磁的若しくは光学的媒体に記載若しくは記録された情報で、開示者が受領者に秘密である旨を適切に明示して開示された情報
(2)  口頭、映像その他前号で定める以外の方法又は媒体により開示された情報で、開示の際に開示者が受領者に秘密である旨を告知し、かつ当該開示後◯日以内に秘密である旨を明示した書面又は電子データでその内容を受領者に交付された情報…省略

例外規定
前項の規定にかかわらず、次の各号のに該当する情報は、秘密情報には含まれないものとする。

  1. 開示を受けたときに、すでに自己が保有していた情報
  2. 開示を受けたときに、すでに公知となっている情報
  3. 開示を受けた後に受領者の責めによらずに公知となった情報
  4. 正当な権限を有する第三者から適法に取得した情報
  5. 開示された情報によることなく独自に開発・取得した情報…省略

秘密保持義務

第◯条(秘密保持義務)
 受領者は、秘密情報を厳に秘密として保持しなければならない。
2.受領者は、本件目的の遂行に必要な役職員にも秘密情報を開示することができるものとし、事前に相手方の書面による同意なくして第三者(法律上秘密保持義務を負う弁護士、公認会計士及び税理士等を除く。)にこれを開示、提供又は漏洩してはならない。
…省略…
◯.受領者は、開示者から事前の書面による同意を得ずに、本件目的の遂行のために必要な最小限の範囲を超えて秘密情報を複製してはならない。
…省略

秘密保持義務は[NDA]秘密保持契約書の中で核となる部分。

NDAは、これから新しい取引きを視野に入れて作られるものなので、専門家のアドバイスを聞く機会もあります。

秘密保持義務の条項では、原則、このような専門家を除いて秘密情報を開示してはいけないとし、相手方の同意を得た場合は例外的に開示可能としておきます。

また、行政から開示請求を受けた場合も必要最小限の範囲で開示可能である旨を定めます。

さらに秘密情報を複製されないように、必要最小限の範囲は複製可能とし、この範囲を超える場合は「事前に相手方の同意を得なければならない」と定めておくとよいでしょう。

秘密情報の返還・破棄

第○条(秘密情報の破棄及び返還)
受領者は、本契約が中止若しくは終了後であるかを問わず、開示当事者からの書面による請求があった場合には秘密情報を速やかに返還または相手方の指示する方法により復元不能な状態に破棄し、破棄した場合にはその結果についても報告するものとする。

秘密情報の返還・破棄、とは契約期間の終了後や、契約が途中で終了した場合、知り得た秘密情報を相手方に返還したり破棄することを定めた条項です。

返還するのか相手方に破棄してもらうのか、どのタイミングで、どの様な方法でそれらの処理をおこなうのかを定めておきます。

また秘密情報を破棄した場合は、その結果についても相手方に報告義務を課す、と定めておきましょう。

公表等

公表等とは、[NDA]秘密保持契約書の存在自体を第三者に開示・公表することを禁ずる条項。

法律上、秘密保持義務を負う弁護士や税理士を除き、公表しようとするときは事前に相手方の書面による承諾を得ることを定めておきます。

競業避止義務(類似の検討)

自社が保有する顧客情報やノウハウなどの秘密情報を相手方企業に開示してしまうと、情報受領者がこれらの秘密情報を利用して自社のライバル会社にも営業をかける危険性があります。開示者にとってはたまったものではありませんよね。

そこで情報開示者が、受領者が競合他社と取引きを行うことを禁止する場合があります。

これを競業避止義務と呼びます。

競業避止義務は、目的で定めた事項以外には秘密情報を一切用いることができないため、受領者にとっては非常に拘束力が強いものと言えます。
例えばユキマサ君は、ニャンニャン商事のライバル会社にも商品を売り込みたいと考えていた場合であっても、ニャンニャン商事としか取引きができなくなってしまいます。

この様に、競業避止義務の条項を十分理解せずに契約を結んでしまうと、自社の今後のビジネスの拡大を狭めてしまう弊害があるわけです。

つまり受領者側の立場としては競業避止義務についてはできるだけ同意を避けたいところ。

とは言え、相互の合意が得られなければ取引きそのものをスタートすることもできないので折衝案(着地点)を探すことになります。

この場合は、事業スタート前の打ち合わせ期間に限定して秘密保持契約を締結する、などといった案が考えられます。

反対に、双方で競業避止義務を課さないのであれば下記例文の様に、最初から禁止規定を排除しておきます。

第◯条 競業避止義務(類似の検討)
本契約の締結は、当事者が本契約に定める各規定を遵守する限りにおいて、第三者との間で本件目的と同一又は類似の検討、資本又は業務提携、共同事業の実施その他の取引等を行うことを妨げるものではない。

まとめ

今回は、[NDA]秘密保持契約書を作成するとき気を付けるポイントを7つ紹介しました。

法務担当者の方は、特に以下の3点について十分注意して作成・チェックするよう気を付けましょう。

  1. 開示者と受領者の立場は明確か
  2. 秘密情報の定義は明確か
  3. 自社に不利な競業避止義務が課せられていないか

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