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システム開発の業務委託契約書は「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するか

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ユキマサくん

システム開発の業務委託契約って「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するかいまいち分からないんだよね。

純さん

確かに分かりにくいですよね。
今回はシステム開発の業務委託契約書が「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するのか、その判断基準について解説します。

目次

「請負契約」と「準委任契約」の判別が必要な理由

そもそもなぜシステム開発契約書が「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するのかを判別しなければならないのでしょうか。それは契約書の種類に応じて、報酬の支払いルールや印紙税貼付の必要性が異なるからです。

まず「請負契約」と「準委任契約」両者の違いについて大まかに抑えておきましょう。

請負契約:「仕事を完成させること」と「報酬を支払うこと」の2つを約束する契約
・委任(準委任)契約:受託者(仕事を依頼された人)が法律行為ではない事務を委託されて処理をする契約

そして、請負契約書に該当する場合は、2号文書として取扱うので、契約書に印紙税の貼付が必要

しかし準委任契約に該当する場合は、7号文書として取扱うので、原則不課税です。

「請負契約」と「準委任契約」の違い

締結予定のシステム開発契約書が「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するのか分からない、と言って契約書のタイトルだけで判断してはいけません。

理由は、契約書のタイトルは契約類型の判別に左右されないからです。「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するのかは、最終的に契約の内容にもとずいて実質的かつ個別具体的に判断されます

請負契約委任・準委任契約
契約の目的受託者が委託された仕事を完成させる受託者が委託された事務を処理する
受託者の義務受託者は仕事を完成する義務を負う受託者は善管注意義務を負う
報酬請求権受託者は仕事を完成した後でなければ報酬を請求できない受託者は委任事務を履行した後でなければ報酬を請求できない
契約解除権委託者は、原則仕事が完成するまではいつでも損害を賠償して契約を解除できる。委託者や受託者はいつでも契約を解除できる。
ただし相手が不利な時期に解除したり、
委任者が受任者の利益(専ら報酬を得る物を除く)をも目的とする委任を解除したときは損害賠償責任を負う。
担保責任受託者は、仕事の目的物が契約内容に適合しなければ担保責任を負う規定なし
報告義務受託者は、報告義務を負わない受託者は、委託者の請求があればいつでも事務処理状況を報告し、委任事務の終了後は顛末の報告義務を負う
印紙税課税文書原則、不課税文書
根拠法民法632条~642条民法643条~656条
参考:業務委託契約書作成のポイント2(中央経済社)

請負契約

  • 仕事の完成が目的なので、仕事を完成させることに責任を負う
  • 仕事を完成させないと報酬を請求できない
  • 仕事を完成させることが目的なので、再委託(下請に仕事を振る)が可能
  • 役務(サービス)の提供でも、エアコンや車の修理業者のように、仕事の完成を目的とする場合は請負契約に該当
  • 注文者は、仕事を完成しない間はいつでも損害を賠償して契約を解除できる(民641)

準委任契約

  • 仕事を「完成させる」という概念がないので、業務の遂行があれば報酬請求権が発生する(民648条3)
  • 事務を処理するのに善管注意義務を負う。善良な管理者の注意は、契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に対して定まる(民400)

「善良な管理者の注意義務」
受託者が事務等の管理を行う場合は、職業又は地位にある人として通常要求される程度の注意義務を払うこととされている。

  • 信頼関係に基づいているので再委託は原則禁止(民644の2-Ⅰ)
  • 契約の当事者はいつでも契約を解除できる。ただし相手の不利な時期に解除すると損害賠償責任を負う

請負契約は結果が全てであるのに対して、準委任契約は注意義務を果たしてさえいれば、結果(成果)の有無は問われません。

成果に対して報酬を支払う準委任契約

契約の内容によっては、「請負契約」と「準委任契約」の2つにキッチリ分けることができないこともあります。

この場合、報酬請求規定に関してはケースバイケースで判断します。

例えば、試作品の制作業務や、発注者が提供する資料に基づいて受託者が計算を要する業務などは、委託者が受託者から得られた成果の割合に応じて報酬を支払います。

請負契約と準委任契約のハイブリッド型のようなイメージですね。

仕事の『成果』は、仕事の完成(引き渡し)と異なり判別が付きにくい性質があるので、そこで民法では成果物の引き渡しと報酬の支払いは同時に引き換えることを原則とし(民648の2-Ⅰ)、切り分け可能な部分の引き渡しを受けた場合は、その受けた割合に応じた報酬を支払うこととしています。

契約の途中で業務が頓挫した場合の報酬請求権はどうなる

あるプログラムの作成委託契約が途中で頓挫し、これが「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するのかが争われた事案があります。東京地判平3.2.22判夕770・218

受託者がプログラムを完成できずに頓挫

受託者「これは準委任契約だ。ある程度まで仕事を仕上げたから報酬払え!」

委託者「いやいやこれは請負契約だ。成果物を受け取っていない以上は報酬を払う義務はない!」

判決文をまとめると、本ケースは請負契約に該当するので受託者はプログラムの完成義務を負っていた認定。

「プログラムを完成できなかった受託者は代金を請求する権利はない」として、委託者が既に支払った代金の返還請求を認めました。

本訴訟では、工程表の内容が『仕事の完成』を目的としているか否かが争点となりました。

結果「本契約は仕事の完成を目的としている」と認定。

受託者が既に作業した分の報酬を請求するためには、契約書面で仕事の完成を目的としないことを明確にしておかなければならなかったのです。

まとめ

「請負契約」と「準委任契約」どちらに該当するのかは「仕事の完成」がゴールと見て取れるのか、が判断基準となります。

システム開発契約では、仕様書を作成する際に同時にコンサルティング契約を締結することがあります。

コンサルティング契約は「仕事の完成」という概念がないため、準委任契約となります。

そしてコンサルティングによって仕様書が完成され、この仕様書を基にシステムが構築される場合は「仕事の完成」をゴールとして捉えることができるので請負契約となります。

しかし発注者が自ら仕様を作成して構築するシステムに、作業者の一員として参加する場合は、その業務自体に「仕事の完成」という概念は成立しないので、準委任契約となります。

システムが完成した後、保守メンテナンス契約に移行するケースもありますが、その内容が操作方法の助言であったりシステム利用の効率化のアドバイス等であれば、準委任契約となります。

このように「請負契約」と「準委任契約」は
・「仕事を完成させなければ報酬が発生しないのか」(請負)
・「作業をするだけで報酬が発生するのか」(準委任)

といった点に着目して判断します。

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