契約書の日付を遡って記載すると無効?契約締結後に契約書を作成する場合の対処法を解説

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ユキマサくん

緊急の依頼だったから取引きがスタートした後で契約書を作成することになったんだ。
この場合はいつ時点の日付を記入すればいいのかな?

純さん

契約書には、当事者全員が署名(記名)押印した日付を記入します。
取引開始後に契約書を交わす場合は、契約書に一文、条項を追加する必要があるので注意しましょう。

【この記事を読んで分かること】
・契約の締結日以後に契約書を作成する場合の対処法
・契約の締結日を第三者に証明する方法

目次

契約の成立日=契約書の作成日

契約書は、契約が成立した日を証明するための証拠になりますので、契約書に記載する日付は原則、契約の当事者全員が署名(記名)押印した時点の日付(契約書作成日)となります。

当事者全員が一堂に会して契約を締結する場合は当日の日付を記載しますが、契約書を郵送で送り後日相手方に記入してもらうケースもあります。

この場合は、相手方が契約書に署名(記名)押印する日を記入します。

バックデートは禁止

契約書で日付をバックデートすることは禁止されています。

日付のバックデートとは

契約書に実際に契約を締結した日よりも早い日付を契約締結日として記載すること。
「なかったこと」を→「あったこと」にすること。

例えば秘密保持契約を締結する場合、当事者全員が署名(記名)押印した日は4月15日であったが、担当者が4月1日に秘密情報を相手企業に開示してしまっていたので、契約の締結日を4月1日と記載した様なケース。

このように、バックデートをしてしまうと、事情を知らない第三者は契約書に記載された日付を契約締結日と判断します。これは虚偽情報を記載することになるので絶対に避けなければなりません。

原則は①契約書の作成→②契約の履行の開始、この流れを抑えておきましょう。

なおバックデートが発覚した場合、契約書自体が直ぐに無効になるわけではありません。

この場合、真正の契約締結日が不明であるため正式な契約締結日を善意の第三者に証明するための作業が必要になります。

なお、刑事上の責任を問われるか?についてですが、契約書の日付を虚偽記載しただけでは刑法上の偽造には該当しません。

偽造とは、作成者の名義を偽ることだからです。

ただし、詐欺罪等の別の犯罪に抵触する可能性がある上、他人名義の契約書を偽造すれば私文書偽造になります。

いずれにせよ、日付のバックデートだけは絶対にしないよう十分注意しましょう。

遡って契約の効果を発生させたい場合の対処法

とは言え冒頭のユキマサくんのように、緊急案件のため取引開始後に契約書を締結するケースも少なくありません。

例えば2023年4月1日に取引が開始した契約について、2023年5月1日に契約書を作成する場合など。

この場合、契約書に記載する日付を『2023年4月1日』としてしまうと、正式な契約締結日がいつであるのか第三者の目から見て不明です。そして、日付を遡る行為は正にバックデートに該当しますので絶対に避けなければなりません。

そこで、契約書の作成日が取引開始日よりも後になる場合は、契約締結日を実際の契約書の作成日である『2023年5月1日』と記載したうえで、「本契約は2023年4月1日に遡って適用される」との条項を追加する。もしくは、契約書の最後に特約として条項を記載します。

このように対処すれば、2023年4月1日の取引開始から契約書の内容を適用させることができます。

契約書の日付の改ざんを防ぐ方法

契約の締結日は重要ですので、契約当事者のいずれかが後日、契約締結日を改ざんすることのないように対策する必要があります。

日付の改ざんを防ぐ方法をいくつご紹介します。

契約締結日欄を相手方に記入してもらう

契約の締結日欄を相手方に記入してもらえば、相手方の筆跡のある契約書の控えを自社が保有することができます。

筆跡は証拠として十分効力をもちます。

公証人役場で確定日付を押してもらう

公証人役場で確定日付を押してもらえば、日付について完全な証拠として成立します。

確定日付とは

確定日付とは、公証人に確定日付のスタンプを契約書に押してもらうことで、その契約書が、遅くとも「確定日付」には成立していたことを証明できる制度。
=「バックデートされた文書ではないこと」を証明できる。

確定日付の手数料は、一件当たり700円と低額で、かつ手続きも簡易です。

「わざわざ公正証書にするほどではないけど契約の成立日だけは疑われたくない」という場合はお勧めです。

新聞紙と並べてに写真を撮る

日付の真正を証明するためもっとも簡易な方法として、新聞紙と契約書を並べて写真を撮るという方法もあります。

これも立派な証拠として効力を有します。

まとめ

  • 契約書のバックデートは虚偽記載であり、原則禁止
  • 効力を遡及させたい場合は、契約書に条項を追加する
  • 「本契約は2023年4月1日に遡って適用される」

今回は、契約の締結日以後に契約書を作成する場合の対処法と、契約締結日を第三者に証明する方法について解説をしました。

日付のバックデートが禁止である点と、上記の条項例を忘れずに追加しておくこと、この2点を抑えておきましょう。

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