【ブログ】新車の購入『必殺120回払い』でも買えない時代が到来。庶民は熊になって冬眠しよう

stop-buy-the-car
目次

止まらない新車価格の上昇

新車の価格がここ20年で1.5倍にまで跳ね上がっているそうだ。

「なぜ国産車の価格がこの20年で1.5倍近くも爆上がりしてしまったのか?」yahoo news 4/25(火) 18:00配信より。

10年ほど前から、自動ブレーキ等の安全装置が標準装備になったりAVシステムの大型化などの理由で、じわじわと価格は値上がりしていたのだが、ここにきてコロナやウクライナ問題、円安などを背景に一気に上昇している。

どれくらい値上がりしているかというと、ノアボクやステップワゴンのようなミニバンでは支払い総額で150万円近くの上昇。

その一方で会社員の手取り額は1990年代の中盤から減少傾向が続く。

大卒新卒の初任給も直近30年間ほどんど上がっていない。さらに労働社会保険料も微増を続けているので会社員の手取り額は減る一方である。

奥さんがパートやアルバイトで生計を立てている家庭も多いと思う。確かに最低賃金は上昇しているが、103万や130万円などのいわゆる『年収の壁』が障壁となり、年末は勤務時間を短縮せざるを得なかったりする。

その結果、どんなに最低賃金が上昇しようが年間の可処分所得は全く増えないという皮肉な現象が続いている。

情弱はメーカーや販売店の戦略に騙されている

この様な絶望的な状況を鑑みると、新車はもはや一部のお金持ちにしか購入できないのでは?と思ったのだが、意外なことに高価格帯のコンパクトカーやミニバンがけっこう売れていると言うから驚きだ。

私はこの理由を、メーカーの販売戦略に上手くのせられている客がまだまだ多いからだと思っている。

分かりやすい例が、支払いプランの広告。

新車を買ってもらうためにはお客に「月々この支払いなら俺でも買えるかも?」と思ってもらわなければならないので、支払い期間をできるだけ長くする必要がある。

その結果、最近はどのチラシを見ても『120回払い』がよく目立つ。

要はここまで支払い回数を長くしないとチラシに「新車が月々1万円から買える!」と掲載できないからだ。

また支払い回数を引き伸ばす以外に、月々の支払い額を安く見せる方法として『残価設定型クレジット』がある。「残クレ」と呼ばれるローン形態だ。

残クレは3年後や5年後の車の価値分を購入時に差し引くことで月々の支払い額を抑える効果がある。

しかしチラシの謳い文句に騙されてはいけない。

月々の支払額を1万円台に設定しようと逆算すると、頭金を100万円前後入れ、さらにボーナス月の支払い額を10万円以上入れるなどしなければならない。

残念ながら私の知る、とりわけ若年のファミリー層は、この様な安く『魅せる』見積り提案に騙されて新車購入しているケースが少なくない。

しかし支払い期間を10年間に引き伸ばしたり、残クレを用いるなどして月々の支払い額を安く『魅せる』メーカーや販売員の手法は近い将来通用しなくなるだろう。

理由は、どんなに支払い回数を増やそうが、残クレを使って月々の支払い額を低く見せかけようが、それ以上に新車の価格上昇が止まらないからだ。

現在の価格上昇カーブが今後も継続すれば、おそらく10年後には2,000ccクラスのミニバンなら支払い総額で500万円近くになるのではないか。もちろん10年後に会社員の手取り額が現在以上に増えることはない。

ここまで高くなると小手先の『魅せ方』には限界がある。

新車が月々1万円から買える!」を貫くためにはこの先『240回払い』なんてプランも登場するかもしれない。

50年払いの住宅ローンが爆誕

2023年8月4日追記

建築資材の高騰により、住宅価格が急上昇。

これを受けて、住信SBIネット銀行は住宅ローンの最長返済期間を従来の35年から50年に伸ばすと発表。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB28DKR0Y3A720C2000000/

毎月の返済額を減らして若い消費者を取り込む狙いだそうだ。

しかし35歳で50年の長期ローンを組むと払い終わるのが85歳。

55歳で役職定年で基本給が大幅ダウン、さらに60歳で再雇用または雇用延長で大幅ダウン。

55歳から85歳までの30年間、一体どうやって支払うのだろうか。

そもそも給与が上昇を続ける前提、雇用が定年まで確保されている前提、払い終わるまで身体が元気な前提で50年ローンを組むのはリスクが高すぎる。

自動車やハウスメーカーが、月々の支払いを低く魅せる手法で車や住宅を購入させる手法は、流石に限界を超えている。

新車を買うと死んでしまう

物価高騰の波は今後も続くと予測される。

それにもかかわらず会社員の手取り額は減る一方なので、余程家計に余裕のある人以外は新車を買ってはいけない。

販売店の営業員から「月々これだけで新車が買えますよ!」と話を持ち掛けられても絶対に乗ってはいけない。

販売員は当たり前だが、車を販売しないと飯が食えないので自分の生活のことしか考えていない。

本当にお客様の幸せな将来を願うのであれば高額な新車を120回プランや残クレプランで提案してこないはずだ。

「お前も車の営業マンを長年やっていたじゃないか」と突っ込まれそうだが、私の場合は正反対だ。

自動車ディーラーの在職中に、独学で『2級ファイナンシャルプランニング技能士』の資格を取得し、マイカーローンと同時にその先の家計全体のライフプランニングの相談にものっていた。

だから残クレだけは絶対に勧めなかったし、マイカーローンもその時の一番金利の低い金融機関を紹介していた。

お陰様で金融商品の販売成績がいつも部員中、最下位で当時の上司からは「なんでお前だけ獲得率がズバ抜けて低いんだ?」といつも詰められていた。それでも私は、決して金利の高い自社ローンや残クレをお客様には勧めなかった。

その代わりにローン案件をいつも紹介していた銀行員の友人が部門トップの成績を納めたらしく、御礼に焼肉を奢ってもらった。

それでは今後、マイカーの購入はどうするのが最善なのか。

物価高騰の時代の大波を生き抜く最良最善の方法はこれしかない。

ズバリ「車はボロい中古車を購入して壊れるまで乗り続ける」(見栄は捨てる)。

怪しい中古車屋で3,40万のワゴンRでも買っていつまでも乗り続ければ家計の出費をかなり抑えることができる。

また、車屋から「そろそろオイル交換の時期ですよ」なんて言われても素直に従ってはいけない。

自慢じゃないが、私は車検のときにしかオイル交換をしない。

愛車は13万キロを超えているが故障がゼロだ。何一つ悪い箇所がない。

日本車の性能は世界一だと思う。

だから、貴重な給料の手取りから、オイル交換やオイルフィルター、オイル添加剤などの不要な出費をしてはいけない。

話を戻すが、そもそも400万円のミニバンやSUVなんて必要ない。

そんな物を購入する動機の大半は、彼女や子供の習い事仲間からの見栄を気にしているだけだ。

熊になって冬眠しよう

地位や名誉や見栄なんかいっそのこと全て捨ててしまったほうが余程楽に生きられる。

新車の購入以外にも、外食を控えたり不要な衣服を買わないなど、節約する努力も必要だ。

ダウンジャケットは、わざわざ『ノースフェイス』を買う必要はない。

『ワークマン』で十分だ。

『カナダグース』のダウンジャケットなんか平気で20万円以上はするが、ワークマンなら4千円で買える(クソダサワンポイントのロゴが付いてくるがそこは我慢)。

とにかく徹底的に生活コストを下げるのだ。

理想は家から一歩も出らず熊のように1年の半分を冬眠して過ごすこと。

決して冗談で言っているのではない。

異常なほど物価が高騰し、さらに手取り額が減り続けているにもかかわらず、消費行動を見直さない人があまりにも多いことを危惧しているのだ。

私も含めて庶民はこれから、熊の様に息を潜めて生活するしか生き残る術はないと思っている。

この記事を読んで絶望的な気分に陥った結果、「副業でも始めてみるか」と考えた方もいるだろう。

手取りの増えないこの時代に「副業を始めないこと」は、もはや時代遅れだ。

本気で副業を始めようと思った方は、下記の記事を参考にしてみてほしい。

必ずヒントが得られるはずだ。

アマゾンKindleにて拙書『LAST HOPE 開業一年目の行政書士が観た景色』を販売中。

Kindleアンリミテッドは、私の本以外にも200万冊が読み放題!しかも30日間は無料です☆彡

stop-buy-the-car

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

気に入ったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
目次