業務委託契約書を交わすとき、契約書の内容から、2号文書(請負契約書)と7号文書(継続的取引の基本となる契約書)のどちらに該当するのか分かりにくいときってあるよね。
それらの判断が難しいケースはよくあります。
今回は、これから締結する予定の契約書が7号文書(継続的取引の基本となる契約書)に該当するのかどうか?その判断基準について解説します。
・締結予定の業務委託契約書が7号文書(継続的取引の基本となる契約書)に該当するのかについて、その判断基準や指標。
印紙税の判断は、税務署の職員の裁量により、実際の契約書の文言や契約の背景、契約当事者の意向などを総合に勘案し、個別具体的におこなわれます。
本記事の内容は、印紙税に関する一般的な内容であること、個別の契約書全てに該当するものではないことをご了承ください。
7号文書(継続的取引の基本となる契約書)とは
7号文書とは、『継続的取引の基本となる契約書』のことで、特定の相手方との間で継続的に行なわれる取引の基本となる契約書をいいます。
- 売買取引基本契約書
- 貨物運送基本契約書
- 下請基本契約書
- 代理店契約書
- 特約店契約書
- 業務委託契約書
- 銀行取引約定書
- 信用取引口座約定約諾書
7号文書に該当する要件は2つ
- 契約期間が3ヶ月を超えている、または、契約期間にかかわらず更新の定めがある
- 施行令26条第1項から5項のいずれかに該当する場合。ただし7号文書に該当するかどうかを検討する場合においては第1項だけ抑えておけば十分です。
【第1項】
①契約が営業者間で交わされること
②契約が売買、売買の委託、運送、運送取扱い、請負のいずれかに関するものであること
③契約が2以上の取引を継続して行うために交わされること
上記2つの要件を満たす場合は、第7号文書に該当します。
そして7号文書に係る印紙税の額は、1通当たり一律4,000円です。
2号文書(請負契約書)の判断基準については下記の記事を参考にしてください。
まずは課税文書に該当するのかをチェック
これから締結予定の業務委託契約書が7号文書(継続的取引の基本となる契約書)に該当するのかを判断する前に、契約書自体が課税文書に該当するのか否かを確認する必要があります。
理由は、印紙税は契約書のタイトルではなく、その個別具体的な内容から課税文書に該当するかどうかを判断するからです。
例えば契約書のタイトルが『継続的取引契約書』となっていても、内容が準委任契約に該当するものであれば印紙税そのものが不要です。
したがって、契約書のタイトルだけを見て「これは2号(請書契約書)だ」とか「7号文書(継続的取引の基本となる契約書)だ」と判断する前に、契約書がそもそも課税文書であるかをチェックする必要があるのです。
課税文書の判断方法については下記の記事を参考にしてください。
基本取引契約書と個別契約書はそれぞれ別個に印紙税が課せられる
7号文書(継続的取引の基本となる契約書)にかかわる印紙税の取り扱いで、よくある勘違いを1つ挙げます。
それは、基本取引契約書と個別契約書はそれぞれに印紙税が課せられるということ。
「基本契約書に4,000円の収入印紙を貼っていれば、付随する個別契約書には貼らなくてもよい」と勘違いされているケースが多いのですが、印紙税法では、課税文書は各課税文書ごとに個別に取り扱うものとしています。
したがって、基本取引契約書が7号文書に該当する場合はその契約書類は7号文書として取り扱い、付随する個別契約書が基本取引契約のもとに締結された請負契約に該当する場合は、この請負契約書にも収入印紙を貼らなければなりません。
ただし冒頭で説明したように、課税文書の対象となるか否かはタイトルではなく契約書の内容で決まりますので、基本取引契約書に付随する契約が、単発の売買契約書であるような場合は、20種類の課税文書のいずれにも該当しないため、印紙の貼付は不要ということになります。
2号と7号文書が混在している場合の判断基準
全ての業務委託契約書が、2号文書と7号文書の2つに綺麗に大別できるわけではありません。
1つの契約書において、2号と7号が混在するケースもあり得ます。
この様な場合の判断基準は下記の通り取り扱います。
- 契約金額が明確な場合→2号文書
- 契約金額が不明確な場合→7号文書
まとめ:正しい印紙税額を収めよう
今回は、これから締結しようとする業務委託契約書が、7号文書(継続的取引の基本となる契約書)に該当するのかについて、その判断基準や指標について解説しました。
- 7号文書とは、『継続的取引の基本となる契約書』のこと。特定の相手方との間で継続的に行なわれる取引の基本となる契約書。
- 2号と7号の区別は、契約書のタイトルではなく、個別具体的な内容から判断すること
- 基本取引契約書を基に作られた個別契約書が請負契約に該当する場合は、それぞれに別に収入印紙の貼付が必要
万が一、収入印紙を貼付し忘れていたことが後日発覚した場合、本来収めるべき税額+2倍の過怠税が課されます。
企業から仕事を請負うフリーランスや個人事業主の方は、この点に注意して業務委託契約書を交わすように気を付けましょう。
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