世の中には、目立ちたがりの人とできるだけ目立ちたくない人の2種類のタイプがいる。
私は後者だ。できるだけひっそりと暮らしたいと思っている。
しかし私は独立行政書士だから、ひっそりと世間の目に触れずに生きていこうとすると誰からも仕事を依頼されず、その結果ご飯が食べられずに廃業してしまう。
だからどんなに嫌でも、世間の目に触れられるような仕組みや、「大分市の行政書士と言えば純さんだよね」と認知される仕組みを整えていかなければならない。事務所運営が起動にのっていない現在ならなおさらだ。
マーケティングの世界ではこれをブランディングといったりする。
とは言え目立ちたくない人が目立つ努力をするのは、相当な心理的負荷がのしかかる。
目立ちたい人は、登録者数が二桁でも毎日You Tubeで自分の動画をアップし続けたり、表紙に自分の顔をでっかく載せた本を出版したり、写真館で体は正面を向いているのに顔だけ斜め45度上を向けた今にも首が折れそうなプロフィール写真をでっかく載せたセミナーチラシを作ったりすることが苦ではないかもしれない。
しかし私はできるだけ露出を控えたい人間なのでそれがなかなかできないのだ。
「おまえはそんなことだから、いつまで経っても受任が少ないんだよ」とお叱りを受けそうだが、全くその通りだと思う。
反論の余地がない。
しかしそれでも私は、どうにか世間から目立つことなく、半ば隠居生活のような暮らしをしながら(仕事はほんの少しだけに抑えて)比較的余裕のある暮らしを送ることができないものかと本気で考えている。
理想はミスチルのドラムみたいな人だ。
30~50代の人に「ミスチルのボーカルって誰だっけ?」と質問すれば、「桜井和寿でしょ」と即答されるだろう。
しかし「ミスチルのドラムって誰だっけ?」と質問しても恐らく誰も答えられない。
私も知らない。
ミスチルのドラムの人とミスチルのファンの方には大変申し訳ないが、これが世間一般の認知度・関心度である。
しかしミスチルのドラムの人は、おそらく生活に困窮していない。むしろ地方の中小企業で働く手取り20万円台の係長より何倍も良い暮らしをしていると思う。
世間の認知度は超低いけど、おそらく彼は自分の好きなことを仕事にしてそこそこ稼いで生きている。
正確なデータがないので「おそらく」ばかり連発しているが、ミリオンヒットを連発したバンドのドラムであれば、まずまずの暮らしをしているに違いない。
私が目指しているのは、このミスチルのドラムの人のポジションなのだ。
目立つことなく、好きなことを仕事にしてストレス負荷なく最低限の暮らしをする。これが最高だ。
目立つとチヤホヤされてそれが心地良いと感じる人もいるだろうが、弊害も多い。
例えば病院で「お次にお待ちの桜井和寿さま~!」と大声で呼ばれたら、待合スペースの人たちは「えっ?えっ?」と顔を見合わせると思う。
サインしてくれとか、セルフィーいいですか?とか、相当面倒くさいだろう。
しかし目立たない人は何も気にしなくてもいい。
「お次にお待ちのミスチルのドラムの人さま~中待合室にお入りください!」と大声で呼ばれても誰も反応しない。
自ら顔と名前を名乗ったとしてもその辺のオッサンにしか見られない。
しかしその人は、その辺のオッサンの何倍も稼いでいる。
たまたまミスチルを例に挙げたが、ウルフルズやスピッツのドラムの人だって同じである。
トータス松本や草野マサムネは皆もが知っているが、ドラムの人は誰も知らない。だけどそこそこ裕福(勝手な予想)。
バンド以外にも社会派ブロガーの『ちきりん』や、作家の『橘玲』も同様のタイプだ。
彼らの本は何十万部も売れているが決して世間には自らの顔を晒さない。本の裏表紙には顔のイラストが描かれている。
ちきりんは、以前ブログでこの点について触れていた。
「目立つと日常生活が阻害されるから良いことが何もない。だから顔写真を載せないんだ」と。
アイドルや芸能人を見ていても「確かにそうだよなあ」と思う。
SNSで攻撃を受けて自ら命を絶った人は何人もいるし、YouTubeで有名な行政書士の先生も誹謗中傷を受け続けたらしい。
だから私は極力目立たないのが正解だと思っている。
世間に自らの存在をアピールする必要がなく、好きな行政書士の仕事を少しだけこなしながら、それでも毎月のんびり旅行に出かけられるような、そんな毎日が理想だ。
究極の目標はネコになること。
時間はかかるだろうが、少なくともあと5年以内にはネコになりたい。