ネットで検索すればフリー素材のイラストがいくらでもダウンロードできるよね?
これらの素材を使ってTシャツを作ったり(商品化)してもいいのかな?
いやいやユキマサくん『フリー=自由』というわけではありませんよ。
今回はフリー素材のイラストや写真を商用利用する際の注意点を解説します。
『フリー素材=全て自由』ではない
ネットでダウンロードできるフリー素材のイラストや写真でも、必ずしも無制限に商用利用できるわけではありません。
フリー素材は、著作権者から提示された条件を守ることを条件に無料で使用することができるに過ぎません。
条件を守らずに商用利用すると著作権侵害にあたり訴えられることもありますので注意が必要です。
下記はフリー素材の利用の範囲を超えたことで著作権侵害が認められたケース。
ビジュアルハント写真事件(令和3年(ワ)第21405号)
ビジュアルハントというウェブサイト上で公開されていた写真を、被告が許可なく自分のウェブサイトで使用して、原告が著作権侵害を理由に損害賠償を求めた事案。
ビジュアルハントは、写真素材を提供するプラットフォームであり、多くの写真がクリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンス(次項を参照)のもとで提供されていますが、許可の範囲を超えた使用が問題になりました。
事件の争点
著作権侵害の有無:被告は、ビジュアルハントの写真を使用した際に、CCライセンスの条件を遵守していたかどうか?
判決の要点
裁判所は、被告が写真の使用においてCCライセンスの条件を適切に理解せずにクレジット表記などの必要な義務を果たしていなかったと判断。
このため、著作権侵害が認められ、被告に対して損害賠償が命じられました。
本旨の要点をまとめると、以下のとおりです。
- フリー素材だからといって何でも著作権者に無許可で著作物を使用できるわけではない
- 「使用のルールを知らなかった」では罰を免れない
商用利用で確認すべきポイント
フリー素材を商用利用するに当たり、最初に確認するべきことは、そのフリー素材のライセンスを確認することです。
ライセンスの種類には次のものがあります。(一部抜粋)
- 独自ライセンス: サイトやクリエイターによって独自の条件が設定されている場合がある。
- CC0 (クリエイティブ・コモンズ ゼロ): 著作権を放棄しており、クレジット表記も不要。商用利用が可能。
- CC BY (表示): 著作権者の名前をクレジット表記する必要があるが、商用利用は可能。
- CC BY-NC (非営利): 非営利目的のみでの利用が許可され、商用利用は禁止されている。
上記、CCから始まる表記は『クリエイティブ・コモンズ』といいます。
CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使ってもいいですよ」という意思表示をするためのツールです。
CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。
これらのマークが表示されていることが、著作物にCCライセンスが付けられていることを示す目印です。
これらの条件を組み合わせてできるCCライセンスは、6種類。
権利者は、自分の作品をどのように流通させたいかを考え、必要に応じて適切な組み合わせのライセンスを選ぶことになります。
フリー素材の利用条件
フリー素材の多くは「商用利用禁止!」と、利用に一定の制限をかけています。
しかし、どこまでが私的利用でどこからが商用利用なのか、その線引が分かりにくいですよね?
この点においては、フリー素材を商用利用するのであれば使用者が個人であろうが法人であろうが関係なく商用利用にあたります。
また似たようなフリー素材の取扱いに『ロイヤリティフリー』というものがあります。
これは、完全にフリーではないが使用許諾を得た以降は、無制限で使用可能になります。
ロイヤリティフリー素材でも、無料のものもあれば、利用開始前に使用料を支払うことで使用可能になるタイプもあります。
一方で、使用媒体や試用期間を特定し、その範囲内であれば使用許諾が得られるといった『ライツマネージド』という取扱いもあります。
以上を踏まえて利用予定のフリー素材に制限がかけられていないか?を確認することが重要です。
フリー素材の利用に関する注意点
フリー素材を商用利用する際、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- クレジット表記が必要かどうか
一部の素材では、使用時に著作権者の名前やサイトのリンクを明示する必要があります。
クレジット表記の方法もライセンスにより指定されている場合があります。 - 加工や改変の制限
素材によっては加工や改変が禁止されている場合があります。
また、一部のライセンスでは改変後も同じライセンス条件で公開する必要がある場合があります(CC BY-SAなど)。 - 再配布の禁止
素材をそのまま再配布することが禁止されていることがあります。
たとえば、他のサイトに再アップロードすることや、素材をまとめて再販売することが制限される場合があります。 - 商用利用の可否
「商用利用可」と明示されているかどうかが重要です。
商用利用可能な素材であっても、具体的な商用利用の範囲(たとえば商品としての直接販売か、広告やデザインへの利用か)はライセンスで定義されていることがあるため、注意が必要です。 - 悪用や不適切な使用の禁止
素材の利用目的に制限がある場合があります。
たとえば、暴力的、差別的、アダルト表現、または違法なコンテンツに素材を使用することが禁止されていることが多いです。
具体的に気を付けるべきこと
- ダウンロードサイトのライセンス規約をしっかり確認する。
- 「商用利用可能」な素材であっても、どのような商用利用が許可されているか詳細を確認する。
- 使用前に「クレジット表記の義務があるか」「加工・改変が可能か」「再配布の可否」など、具体的な制限事項を確認する。
フリー素材であっても、これらの項目を事前に確認し、適切に利用することでトラブルを避けることができます。
モデル写真は肖像権に注意
フリー素材には、イラストもあればモデル写真もあります。
モデル写真を使用する場合は、肖像権に注意が必要です。
例えば、写真のフリー素材を提供しているサイト『写真AC』は、利用規約で素材の利用方法でOKとNGシーンを明確にしています。
こんな使い方はOK!編(一部抜粋)
- WEBページのイメージ写真として
- WEBニュースや新聞・雑誌・ブログ記事のアイキャッチとして
- パンフレット、カタログのデザインの一部として
- 製品ラベルやパッケージデザインへの利用
- SNSへの投稿(Instagram・Twitter・Facebookなど)
ただし、自分が撮影した写真であるかのように偽ったり、見た人が誤解するような投稿はしてはいけません。 - 私的利用
こんな使い方はNG!編(一部抜粋)
- アダルトコンテンツへの利用
- ロゴ(ブランド・企業ロゴなど)たとえロゴの一部であってもご利用は禁止
- 自分のSNSなどのプロフィール写真やアイコンへモデルの写真を使用する
このように、写真素材はイラストにはない「肖像権」の取扱いに注意が必要です。
まとめ
今回はフリー素材のイラストや写真を商用利用する際の注意点を解説しました。
- 私的利用か商用利用かを確認する
- フリー素材だからといって、何でも自由に使えるわけではない
- 利用する前に、各サイトの利用規約を必ずチェックする
- 無断使用して「利用規約を知らなかった」では済まされない
- 写真素材は、肖像権に注意
上記ポイントは必ず抑えておき、知らず知らずのうちに第三者の著作権を侵害してしまわないように注意しましょう。
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