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ビルのオーナー様向けテナント(店舗)の賃貸借契約書を作成する時のポイントを解説

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ユキマサくん

今度うちの空き店舗に幼児向けの英会話教室がテナントで入ることになったんだ。

純さん

よかったですね。もう賃貸借契約書は作成しましたか?

ユキマサくん

それが、どんな内容にしたらいいのかサッパリ分からニャいんだよ。

純さん

普通の賃貸借契約とは違って独特な決め事も多いですからね。今回はテナント(店舗)の賃貸借契約書を作成する時のポイントを解説します。

事業用建物の賃貸借契約書の解説記事はコチラからご覧ください。

目次

最低限入れるべき条項リスト

テナント(店舗)の賃貸借契約書を作成するときに、最低限入れておくべき条項は以下のとおり。

  • 賃貸借物件詳細
  • 契約面積
  • 使用目的(営業種目)
  • 賃貸借期間
  • 工事区分
  • 物件の場所の変更
  • 解約
  • 敷金
  • 賃料
  • 賃料の改定
  • 譲渡等の禁止
  • 費用の負担
  • 公租公課の負担
  • 管理規則の遵守(共同トイレ等)
  • 売上金の管理
  • 報告義務
  • 届出義務
  • 禁止事項
  • 共用部分の保守
  • 立入権
  • 修繕
  • 契約の当然の終了
  • 免責事項
  • 修繕工事期間中の補償
  • 保険
  • 製造物責任
  • 契約の即時解除
  • 物件の明渡し
  • 秘密保持、顧客情報
  • 遅延損害金
  • 裁判管轄
  • 造作買取請求権

各条文のポイント解説

賃貸借物件詳細

賃貸借物件の詳細は、物件の『所在地、賃貸部分、契約面積』を記載します。

所在地は住所を、賃貸部分は、ユキマサビルの6階(別紙マーカー部分)等を記載。

契約面積

契約面積は平方メートルや坪数を明記します。

また、計算方法や室内柱の面積を含むか否か、も可能であれば記載した方が良いでしょう。

『柱芯・壁芯計算とし、室内柱面積はこれに含まれるものとする』

使用目的(営業種目)

使用目的は、今回のケースでは英会話教室ですから、それ以外の用途では使用できないことを明記しておかなければなりません。

使用目的は、乙の英会話教室についてのみ使用するものとし、その他の目的に使用してはならない。

賃貸借期間

ここは、物件の引き渡し日、何年間の契約とするか、自動更新の有無を記載します。

甲乙いずれからも「契約を更新しない」旨の通知がなかった場合は自動更新とするケースが多いです。

工事区分

工事区分は、テナント(店舗)の賃貸借契約独特の条項となります。

通常、テナントが入るときは内装工事をおこないますので、その工事費用を甲乙どちらが負担するのか、を明記します。

工事箇所を区分して、その区分ごとに費用を取り決めすることもあります。

物件の場所の変更

場所の変更とは、テナントビル自体が引っ越しを余儀なくされた場合の決まりごとです。

ビルのオーナーが市況環境の変化に対応するため等、やむを得ずビルを引っ越す場合、甲乙の合意が必要である旨や、引っ越し費用はどちらが負担するのか、等について詳細に記載します。

テナントビル自体、引っ越すケースは稀ですが、できれば入れておきたい条項です。

解約

契約時に取り決めた契約期間内に、借主側の都合によりテナントを退出することになった場合、いつまでにオーナーに通知しなければならないか、を明記します。

また事前通知をせずに退出する場合は「月額賃料の◯か月分を違約金として支払わなければならない」と決めておきましょう。

敷金・敷金の返還

「敷金と保証金は何が違うの?」と聞かれることがありますが、同じ意味と捉えて問題ありません。

どちらも、借主が賃料を滞納した場合、敷金や保証金から差し引くと言った、万が一の担保目的としています。

敷金はいくらで、テナントの退出時はいくら返金するなど、細かく設定しておかないと退去時にトラブルになります。

賃料

賃料を記載します。

通常支払期日は、契約期間の前月末まで、と設定します。

賃料の改定

「物価や経済情勢の変動が大きく生じた場合は賃料を増減できますよ」という規定です。

特約で、例えば「5年間は賃料を増額しない」とすることは可能ですが、反対に「5年間は減額しないぞ」とする規定は借主にとって不利な契約となります。

このようなテナントオーナーのわがまがな取り決めは、借地借家法で無効とされています。

譲渡等の禁止

譲渡の禁止、とは「テナントを貸す権利、借りる権利、を第三者に渡してはいけませんよ」という取り決めです。

原則、借主の賃借権の譲渡は禁止しておいた方がテナントオーナーにとっては安心です。

費用の負担

テナントの賃貸借契約での費用の負担とは、以下のようなものが挙げられます。

  • 水道光熱費
  • 共益費
  • ごみ処理費用
  • 町内会費
  • テナント会費
  • 販売促進費

借主側が上記を負担するケースが多いです。

販売促進費は、デパート等で催事をすることがありますが、この催事費用をどちらが負担するかについての取り決めです。販促費は、催事毎に異なりますので『別途競技する』としておいても大丈夫です。

公租公課の負担

テナントの賃貸借契約での公租公課とは、テナント内に設置する設備について発生する税金のことを指します。テナントビルの固定資産税はビルオーナーが負担します。

管理規則等の遵守

テナントが入居するビルには独自に取り決めた管理規定が存在します。

入居するからには規定を守らなければなりません。

ユキマサくんは幼児向けの英会話教室として入居します。ここで想定されるオーナーのリスクとしては、幼児のトイレ問題が挙げられます。

テナント内にトイレが設置されていない場合、各階にあるトイレまで歩いて移動しなければなりません。万が一、幼児や園児が1人でトイレに行って行方不明になっては大変ですよね。

テナントオーナーが責任を取らされるのも勘弁して欲しい話です。

このような事態に備えて、管理規定があるのです。

具体的には「幼児、園児が共同トイレを利用する際は、必ず保護者が付き添うこと。万が一、事故を起こってもテナントオーナーは責任を負わないこと」等を記載しておくと良いでしょう。

売上金の管理

テナントの売上金は借主が管理しなければなりません。

現金や貴重品を取り扱う場合など、万が一盗難が遭った際は、テナントオーナーは一切責任を負わない、とする規定を入れておきましょう。

ただし、テナントビルそのもののセキュリティが弱かったために被害に遭った場合はオーナーが責任で損害賠償責任を負わなければなりません。

報告義務

報告義務とは、テナントがビルオーナーに対して報告するべき義務のとことを指します。

オーナーはビルを運営・維持するために、各テナントが大凡どの位の売上があるのか把握しておきたいものです。

とは言えテナント側は、原価や販促費、人件費など事細かく報告する義務はありません。

ビルのオーナーは、あくまで合理的な範囲内で報告を求めることができるものとし、テナントは「報告を求められた場合はそれに答えなければならない」としておきましょう。

甲は乙に対し、合理的な範囲内で、経理内容、業務処理等に関し、報告を求めることができる。この場合、乙は誠意をもって事実を報告しなければならない。

届出義務

届出義務とは「甲乙それぞれ、社名や本拠地、連絡先等が変更になった場合は届出てね」とする規定です。

禁止事項

禁止事項では、借りる権利をオーナーの許可なく他人に譲渡してはならない、とする事や、ビルの管理規定を守る事、等を禁止事項として列挙します。

オーナーは、できるだけ具体的に数多く決めておきたいものですが、あまりにも規定が細かすぎたり、多すぎたりするとテナントそのものが入居しないことにもなりますので注意が必要です。

共用部分の保守・管理

オーナーとしては、テナントに対して自社の物件を丁寧に取り扱ってほしいものです。

特に共同トイレや廊下など、乱暴に扱われてビル事態の価値が下がるようなことは避けたいですよね。

そこで、共有部分の保守・管理規定として以下のような項目を入れ込んでおくと良いです。

乙は賃貸借物件及び共用部分を、善良なる管理者の注意をもって使用しなければならない。

善良なる管理者の注意とは一般的・客観的に要求される程度の注意をしなければならないという注意義務のこと。

要は「共有部分はみんなの物だから、大事に扱ってね」というニュアンスです。

立入権

立入権とは、ビルのオーナーがテナントに立ち入る権利のことを指します。

ただしオーナーと言えど、気の向くままにテナントに立ち入り可能とすると、テナントとしては勘弁してほしい話です。

ここでは『ビルの保守・点検時など、管理上必要があるときに限り』とし、また立ち入るときは「テナントの承諾を必要とする」など「あくまで合理的な範囲内で立ち入ることができる」としておきましょう。

修繕

ビルの維持管理に必要な修繕が生じた場合や、テナント内で修繕が生じた箇所は、オーナーとテナントのどちらがその修繕費を負担するのか、を定めます。

通常、ビル事態の維持管理に必要な修繕はオーナーが、テナント内の修繕費はテナント側の負担でおこないます。

テナント内の修繕でも「ビル本体にかかわる主要な部分」については協議が必要です。どちらが負担するのか、事前に取り決めておきましょう。

契約の当然の終了

例えば、ハリケーンが直撃してテナントビルが破壊された場合、営業再開の見通しが立ちませんよね。

このように、テナントを使用収益することができなくなった場合は賃貸借契約が当然に終了する定めを盛り込んでおくことも可能です。

仮に営業再開できなくとも契約が終了しない場合はどうなるか?

テナントはオーナーに対して「いつになったら営業再開できるんだ?」と詰め寄り、オーナーは営業再開のために業者に見積もりを取ったり、移転先を探したり奔走することが予想できます。

契約が当然に終了すれば、テナントは直ぐに次の移転先を探すことになりますので、このような規定がある方が、甲乙双方にとってメリットとなるケースもあるのです。

免責事項

免責事項とは、責任が免除されるケースについて定めるもの。

例えば、テナントの従業員が客とトラブルになり、損害賠償責任が生じた場合でも、ビルのオーナーは責任を一切負わない、とするケースなど。

オーナーとしては、具体的に定めておきたい事項です。

修繕工事期間中の補償

ビルを維持管理する上で、どうしてもテナント内の工事が必要なときがあります。

また工事の内容によっては、テナントに長期に渡り営業を中止してもらわなければならないケースもあるでしょう。

オーナーの都合で営業を中止してもらうので、テナントに対して、まず「工事が入ること」を承諾してもらわなくてはなりません。

また、工事期間中は営業ができませんからテナントは売上が上がりません。

この様な場合に「オーナーがテナントに対して休業補償をするか否か」「補償をするなら日額いくらを支払う」等を定めておくとトラブル防止につながります。

保険

テナントには、最低限の保険には加入しておいてもらわないとオーナーとしては不安です。

特に火災保険。オーナーが指定する最低限の保証内容を付帯してもらう、とする定めは有効です。

製造物責任

製造物責任とは、テナント内で製造したものがキッカケで第三者に損害を与えた場合でもオーナーは責任を負いませんよ、とする規定です。

英会話教室で何かを製造することはありませんので、料理教室を例に説明します。

テナントが客に提供した食材がキッカケで、生徒に食中毒が発生した場合などがこれに該当します。

契約の解除

契約期間は予め定めておくものですが、テナントが余程酷いことをした場合は例外的に直ぐに契約を解除できる、と定めることが可能です。具体的には、テナントが以下のようなケースに該当した場合など。

  • 破産した
  • 解散した
  • 強制執行を受けた
  • 罰金刑を受けた

ただし、ビルオーナーとテナントとの信頼関係が破壊されたとはみなされない場合は即時解除できない判例(最判昭和43. 11.21民集22・12・2726参照)がありますので、上記に該当した瞬間に直ぐにテナントを追い出せるわけではありません。

物件の明渡し

テナント契約が終了すると、オーナーとしてはテナントにさっさと出ていってほしいものです。

「いつまでも退去しない場合は、損害賠償できますよ」とする規定は盛り込んでおきましょう。

このとき、いくらの賠償金を請求するかについてはオーナーが独自で設定することが可能。とは言え法外な利率は無効になることもあります。

『月額賃料の倍額』とすることは問題ありませんが、借主側が異を唱えた場合は協議が必要です。

秘密保持、顧客情報

営業上知り得た秘密や個人情報は第三者に漏らしてはならない、とする規定は絶対に必要。

特に営業期間中のみならず『契約期間終了後も』としなければなりません。

遅延損害金

遅延損害金はテナントが賃料の支払いが滞った場合に請求できる利息について定めたものです。

法定利息は3%ですが、10%や14.6%、もっと高くすることも可能。

ただしテナント側が「それは高すぎるだろ!」と異を唱えた場合は協議が必要です。

また法外な利息設定をした場合は、それ自体が無効となります。

裁判管轄

裁判管轄は合意管轄とも呼ばれます。

ビルオーナーとテナントとの間で紛争が生じた場合に、どこの裁判所で話し合うか、を定めるものです。

オーナーとしては、最寄りの簡易裁判所、家庭裁判所を設定しておきましょう。

あまりにも遠いと裁判の度に遠方に足を運ばなければならない為、お金と時間がかかって面倒です。

造作買取請求権

造作買取請求権とは、民法の規定により、テナントが設備を付加して賃借物の価値を高めた場合、特約を入れておけば、退去時に残存価値に応じでオーナーに買取請求ができること。

オーナーとしては、造作買取請求権は行使してほしくないですよね。これは特約で排除することが可能です。

「第◯条(造作買取請求権の放棄)
乙は、本物件及び造作設備について支出した諸費用の償還請求権、及び本物件内に乙の費用負担により設置した造作設備の買取請求権を行使することができない」

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はビルオーナーの目線で、テナントが入居する際の契約書の作成について解説しました。

盛り込んでおくべき条項がとても多いことがご理解いただけたかと思います。

それだけテナントとはトラブルになるケースが多いということです。

また今回は、各条項については重要な部分だけをピックアップして解説しております。実際に作成する契約書面ではさらに詳細な条文が必要である旨をご承知おき下さい。

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