行政書士としてどう生きるか
タイトルは『ここらす思考』です。
『ここらす』とは、心穏やかに暮らす、を略した言葉。
この本は、行政書士として売上を最大化する方法や、案件を増やす営業術を書いた本ではありません。
もっと根っこの話です。
行政書士資格を手にしたあと、どんな働き方をして、どんな毎日を過ごしたいのか。
案件を抱え続ける人生を望むのか、それとも仕事に飲み込まれない人生を作りたいのか。
その分かれ道について、自分の体験をもとに整理した一冊です。
世の中には、朝から晩まで電話を取り続け、外回りと書類作成に追われ、納期と依頼者対応で頭がいっぱいになる行政書士さんがたくさんいます。
もちろん、それは立派な働き方です。
けれど私は、その路線を突き詰めたいとは思いませんでした。
いつも着信を気にして、休んでいるのか待機しているのか分からない毎日を続けるより、もっと静かで、もっと主導権のある生き方を選びたかったのです。
そこで考えたのが、「行政書士の仕事を増やす」ではなく、「行政書士の仕事に依存しすぎない構造を作る」という発想。
本書で書いたのは、そのための思考整理と実際に毎日を心穏やかに暮らすまでの手順(ロードマップ)です。
生活費を何で支えるのか?
電話をどう扱うのか?
受任を増やすことが本当に正解なのか?
フロー収入だけで生きることの危うさをどう見るのか?
行政書士資格を“もっと働くための道具”として使うのではなく、
“心穏やかに暮らすための武器”として使えないか?
そんな問いに対して、自分なりの答えを書きました。
行政書士という資格を持っている人が、忙しくなる方向ではなく、自由度を上げる方向へ舵を切るにはどう考えればいいか。
そのロードマップが本書の中身です。
この本を読むことで、売上の数字よりも仕事の見え方に変化が起きると思います。
これまで当たり前だと思っていた「受任して、動いて、納品して、また次を取る」という繰り返しを、一度疑えるようになるはずです。
電話にすぐ出ること、依頼を断らないこと、忙しいことを誇ること。
それらを美徳として抱え込んでいた人ほど、「別の組み立て方があるのかもしれない」と気づけると思います。
仕事量を増やさないと不安な人が、構造を作るほうに意識を向けられるようになる。
その変化は地味ですが、長い目で見るとかなり大きいです。
この本を書いた理由も、そこにあります。
私は自動車ディーラー勤務時代に、時間を切り売りする働き方に限界を感じたことで、もっと自由に、もっと人間らしく生きる方法を探し始めました。
その延長線上で行政書士になったからこそ、消耗する日々にだけは絶対になりたくないと思ったんです。
だから、行政書士としてどう稼ぐかだけではなく、行政書士としてどう消耗せずに暮らせるか?
どうやって生活の土台を別に持つか?
どうすれば仕事に人生を乗っ取られずに済むか?
これを本気で考え続けてきました。
本書は、その試行錯誤をきれいごと抜きでまとめたものです。
行政書士として今後もやっていきたい気持ちはある。
でも、電話と期限と移動に追われる毎日をこの先何年も続けたいわけではない。
拡大志向や組織化より、自分の時間と心の平穏を守りたい。
こんな人にはかなり刺さる内容だと思います。
現役の行政書士はもちろん、これから行政書士資格を取る人、行政書士登録後の働き方に迷っている人にもお勧めです。
逆に、とにかく受任件数を伸ばしたい人、事務所を大きくしたい人、売上至上主義の人には合わないはずです。
この本は、アクセルを踏み込む本ではなく、人生のハンドルを握り直す本だからです。
行政書士という資格は、使い方次第で人生を楽にすることもあれば、逆に忙しさを増幅させることもあります。
どちらを選ぶかは、能力より先に設計で決まる。
私はそう思っています。
『ここらす思考』は、もっと受任を増やすための本ではありません。
仕事を整え、収入の構造を整え、日々の神経の使い方まで整えて、最後には「今日は穏やかだったな」と思える日を増やしていくための本です。
もしあなたが、行政書士として今の働き方に少しでも違和感があるなら、本書はお役に立てると思います。
ぜひ読んでくださいね!


