フリーランス個人事業主に業務委託契約書が絶対必要な3つの理由

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ユキマサくん

いつも得意先からウェブサイト制作を委託されることが多いんだけど、業務委託契約書は交わしてないんだよね。
なんだか面倒臭くってさ。

純さん

それは危険ですね。
それでは今回は、請負契約に業務委託契約書が必要な3つの理由について解説します。

目次

契約内容の履行とリスクの低減

業務委託契約書は、関係する各当事者の『権利と義務』を文書化するものです。

業務委託契約で言う権利と義務とは以下の意味を指します。

委託者の権利は、相手方に対して目的物を制作するよう要求できることであり、義務は、受け取った成果物の対価として相手方に報酬を支払うこと。

反対に、受託者の権利は、受け取った成果物の対価として相手方に報酬を請求できることであり、義務は相手方の要求する成果物を制作し納品することです。

契約書には、業務の範囲、料金、期間、機密保持規定、紛争解決手続きなど、重要な事項を明確かつ詳細に記載します。

これにより、契約の当事者は契約内容に基づいた行動を取るようになり、また予期しないリスクやトラブルを最小限に抑えることができるのです。

事例解説

例えば、A社は製造業を営んでおり、製品の組み立て工程をにB社に委託することになりました。

業務委託契約書は、双方の『権利と義務』を明確にすることを目的としますので、契約書には、組み立て作業の範囲品質基準、納期、報酬の支払い条件などを明記することになります。

このとき、もしB社が納期に遅れたり、品質基準を満たさないは、契約書の内容に基づいて適正な製品を納品する義務を負います。

具体的には、代替物の引渡しや目的物の修補など。

さらに相手方の作業ミスが納期遅延で損害を被った場合は、これらに加えて損害賠償請求も可能。

逆に、A社が報酬の支払いを怠った場合でも、B社は契約書を根拠に法的な措置を取ることができます。

このように、業務委託契約を交わしておけば、契約当事者の権利とリスクを明確化できるので、その結果、取引における法的安全性を高めることができるのです。

(買主の追完請求権)
第562条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる
ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。

2 -省略-

買主の代金減額請求権
第563条 前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる

2 -省略-

紛争の予防と円満な解決

契約書は、当事者間の意図合意事項を確立するための重要な証拠となります。

もし契約上のトラブルや争議が発生した場合、契約書は当事者の権利と義務を明確に示してくれるため、これが紛争解決に役立ちます。

業務委託契約書で、受託者の委託内容や納期、報酬の支払規程などを明確に定めておけば、紛争を予防できますし、万が一争いが生じた場合でも、円満な解決につながる可能性が高くなります。

事例解説

例えば、C社はマーケティングの業務を専門とする会社であり、D社に業務の一部を委託することになりました。

業務委託契約書には、具体的な業務内容や成果物の要件、保護すべき機密情報、契約解除に関する条件などが明確に記載されます。

もしD社が契約書に定められた要件を満たさず、成果物の品質が低かった場合、C社は契約書に基づいて相手方に是正を求めることができます。

業務委託契約書の内容が明確であればある程、双方が合意した基準に基づいて業務が進行していく道筋がハッキリ見えますので、成果物が完成するまで、そして成果物を納品した後の争議が発生する可能性が低くなります。

万が一争議が生じた場合であっても、契約書自体が紛争解決の指針となりますので円満な解決に向けて、交渉をスムーズに進めることができるようになります。

業務委託契約書の最終条項に「◯◯地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。」と紛争解決処理の方法が定められているのはこのためです。

信頼構築の構築と発展

業務委託契約書は、単に当事者同士の約束事を定める文章に留まりません。

契約の相手方と信頼を築くための重要な手段にもなり得ます。

事例解説

例えば、E社はITコンサルティングサービスを提供する会社で、F社に営業利益率の完全を目的として一定期間のマネジメント業務を委託するとします。

業務委託契約を締結することで契約関係の当事者は、双方の目的・目標を共有し、そして協業してゴールを目指すことになります。

最終的に、F社のコンサルティングが功を奏してE社の営業利益率が改善されれば、E社とF社の間には相互の信頼が築かれ、その結果F社はE者からのリピートの依頼に発展する可能性が高まります。

まとめ

今回は、フリーランス・個人事業主に業務委託契約書が絶対必要な3つの理由について解説しました。

  1. 法的保護とリスク管理
  2. 紛争の予防と円満な解決
  3. 信頼構築の構築

成果物を納品した後に「思っていた仕様と違う!」「最初からやり直して!」などのトラブルが起きた場合は、どうしても立場の弱いフリーランス・個人事業主が泣き寝入りするケースが多いです。

しかし、業務委託契約書の委託内容を詳細に定めておけばそのリスクを大幅に抑えることが可能です。

これまで業務委託契約書を作ってこなかった事業者様は、是非この機会に作成しておきましょう。

また、大昔に作った業務委託契約書を今でもそのまま利用しているような方は、改正された民法に対応していない可能性が大。

この機会に行政書士や弁護士などの専門家にリーガルチェックを受けてもらうことをお勧めします。

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