どうしよう。業務委託契約書を交わした相手から納品後にクレームがきたんだ。
契約書はキチンと交わしているんですよね?それなら落ち着いて契約内容を確認してみましょう。
納品後のトラブル・クレームは避けられない
ビジネスでは、トラブル・クレームは付き物ですよね。
- システムに不具合が見つかった
- 納品された数量が違う
- 納期に間に合わなかった
など、挙げればキリがありません。このようなトラブルを未然に防ぎ、またトラブルが発生した際も穏便かつ円滑に問題を解決する協力な武器となるのが『契約書』です。
契約書があれば、その内容に従って道筋を立てて解決してくだけ。
解決ルートは2つです。順番に解説していきましょう。
トラブル・クレームが『契約書と法律』で解決できるかを確認
トラブル・クレームが発生した際の対処方法を契約書の中で定めていれば安心ですし、解決にかかる時間も短くて済みます。
契約書で『どのようなケースにおいて』『どちらが』『いつまで』『どのような範囲で』補償するのか、を確認します。
そして契約当事者の一方が、契約書で合意した内容通りの債務を履行していない事実を証拠を用いて証明すればよいのです。
しかし、いくら想定されうるトラブルを契約書に列挙し、その解決方法を明記していたとしても、実際のクレームは契約書に記載されていないことの方が多いのではないでしょうか。この様なケースでは、法律に従うことになります。
例えば、あなたが『顧客管理システム』をお客様に納品したとします。
納品後から1年半後にバグが発見された場合でも『納品日から起算して2年間は無償にて対処する』と契約書に明記されていれば、販売元であるあなたが補償にて修正する義務を負います。
しかし契約書内に、バグが発見された場合の解決方法が記載されていなければ民法の定めに従います。このケースでは、納品後にお客様がバグを発見してから1年以内に報告がなければあなたは履行の責任を負いません。
売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
この様に、まずは契約書を確認して、契約書内に解決方法が記載されていなければ法律(民法等)の定めに従う形となります。
契約書の登場人物の関係を把握
業務委託契約書には必ず登場人物を記載されています。
甲さんや、乙さんですね。連帯保証人を立てる場合は丙さんも登場します。
トラブル・クレームが発生した場合は、契約の当事者が『甲と乙』になっているのか、『甲対[乙&丙]』になっているのか『[甲&乙]対丙』になっているのか、等を確認する必要があります。
登場人物の相関関係を把握するのはとても重要です。
1つ、例を挙げて考えてみましょう。
あなたは自動車販売店の営業担当者です。
個人タクシーで開業予定のお客様が、新車のタクシーを購入してくれました。『売買契約』
販売を担当したのはあなたですが、契約の当事者はあくまで『自動車販売店とお客様』の二者関係です。
このとき『タクシーメーターの取付け』だけは、提携先の業者にお願いしました。
お客様への納車は無事に完了。しかし後日、クレームの電話が。
初めての乗務でお客さんを送り届けたが、タクシーメーターが正常に回っていなかった、と言うのです。
「長距離を走ったが、メーターが回ってなかったのでお客さんにも適正な料金を請求できずに大損害だ!」
この問題を解決する為に、登場人物を整理すると以下のようになります。。
- お客様
- 自動車販売店の営業担当者
- 営業担当者が勤務する自動車販売店
- 自動車販売店の提携先業者
- 提携先業者に勤務する整備士
- タクシーメーターの製造元
そしてトラブルは以下のような流れで解決していきます。
不具合の原因解明を急がせます。
整備士が不具合の原因解明に努める。
メーターを取付けた『整備士の取付け方法』に問題があった。
ここでお伝えしたいのは「トラブルが発生した際は契約の相関関係を確認しましょう」ということ。
上記のように、メーターが正常に回らなかったのは、自動車販売店の提携先の整備士の取付方法に原因があった訳ですが、お客様からすると「車を購入した販売会社がどこの業者にメーターの取付けを外注して、外注先のどんな整備士が取付けたのか」は知ったことではないのです。
お客様に非がないのであれば、お客様に履行責任(キチンと車を修理して納車する義務とお客様に賠償金を支払う義務)を負うのは自動車販売店です。営業担当者でもなければ、タクシーメーターを取付けた整備士でもありません。
相関関係が可視化できていれば、トラブル・クレームの解決に向けてどのような流れを取るべきかが分かりますので、適切かつ迅速な処理ができます。
まとめ
今回は『業務委託契約書を交わしたがトラブル・クレームが発生したときの2つの解決方法』を解説しました。
- 『契約書と法律』で問題を解決できるか、を確認する
- 契約書の登場人物の関係を把握する
トラブル・クレームはいくら想定していてもゼロにすることはできませんが、その発生確率をできるだけ抑えることは可能です。もしもの時に備えて、しっかりと契約書を作成しておきましょう。
業務委託契約書の作成はお任せください
弊所では、請負契約・業務委託契約書に関する様々なご相談にのっております。
- 業務委託契約書を作りたいが何から手を付けたらいいのか分からない
- 自社の仕組みに合わせて業務委託契約書を作成してほしい
- 自社に有利なように業務委託契約書を作成してほしい
- 相手方から業務委託契約書を提示されたが、不利な条件が書かれていないかチェックしてほしい
- AIで契約書を作ったが抜けや漏れがないか不安。リーガルチェックだけしてほしい
この様なことでお悩みのクリエイターや中小事業主様は、弊所までお気軽にお問い合わせください。
LINEで簡単!全国どこからでも対応致します。
商取引に関する契約書
・動産売買契約書
・土地売買契約書
・土地建物売買契約書
・継続的売買契約書
・フランチャイズ契約書
・特約店契約書
・OEM契約書
・代理店契約書
・秘密保持契約書(NDA)
賃借に関する契約書
・建物使用貸借契約書
・建物賃貸借契約書
・定期建物賃貸借契約書
・定期借地権設定契約書
・事業用定期建物賃貸借契約書
・駐車場賃借権契約書
賃金と担保に関する契約書
・債権譲渡契約書
・金銭消費貸借契約書
・抵当権設定契約書
・代物弁済契約書
・準消費貸借契約書
・集合動産譲渡担保契約書
・質権設定契約書
請負・業務委託契約書
・業務委任契約書
・建設工事請負契約書
・不動産管理委託契約書
・保守契約書
・コンサルタント契約書
・システム開発契約書
・営業委託契約書
労働に関する契約書
・雇用契約書
・労働者派遣基本契約書
・入社・退社誓約書
・身元保証契約書
・出向契約書
家族・近隣に関する契約書
・贈与契約書
・死因贈与契約書
・境界確定契約書
・遺産分割協議書
・夫婦財産契約書
・任意後見契約公正証書
・通行地役権設定契約書
北海道, 札幌,青森, 岩手, 秋田, 宮城, 山形,福島, 東京(東京都23区,千代田区,中央区,港区,世田谷区,大田区,目黒区,品川区,渋谷区,杉並区,中野区,練馬区,新宿区,江東区,墨田区,葛飾区,江戸川区,台東区,文京区,荒川区,足立区,北区,豊島区,板橋区), 神奈川, 横浜,埼玉県, 千葉, 茨城, 群馬, 栃木, 愛知, 名古屋,静岡, 三重, 岐阜, 新潟, 長野, 山梨, 石川, 富山, 福井, 大阪, 京都, 奈良, 兵庫, ,神戸,滋賀, 和歌山, 岡山, 広島, 鳥取, 山口, 島根, 愛媛, 徳島, 高知, 香川, 福岡, 佐賀, 長崎, 大分, 熊本, 宮崎, 鹿児島, 沖縄