契約書と覚書の違いは？法的効力に違いはあるのか

ユキマサくん

契約書と覚書、この２つの違いは何かニャ？
なんとなく契約書の方が効力が強そうなイメージだけど。

純さん

題名（タイトル）で契約書としての効力に差異はありませんよ。
重要なのは中身です。

契約書と覚書の違い

契約書

まず『契約』とは、当事者同士の権利や義務を確定させる『行為』そのものを指します。

そして契約書とは、当事者同士で確定した債権と債務を記録した『文書』のことです。

契約と契約書の違いについてはこちらの記事をご覧ください。

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覚書

覚書も契約書の一種です。

契約書は、取引開始前に取引き全体のルールを定めたもの。

そして『覚書』は、契約書を取り交わした後で、契約内容に変更が生じたり、追加が必要になったものを書面で残す場合に用いられます。

例えば、契約書で納品日を定めていたのに受注者側のミスで指定期日に間に合わなくなった場合などは、覚書にあらたな期日を設定し、納期遅延に基づく違約金や、その支払期日等を定めます。

契約書と覚書、法的拘束力の違い

契約書と覚書の違いが分からない、ということはよく聞きます。

また「覚書」は契約書の簡易版で「契約書が一番効力がある」と勘違いされておられる方もいます。

結論から言うと、契約書としての法的効力は、契約書、覚書、合意書などの題名（タイトル）で決まるものではなく、中身で決まります。

中身とは、その契約書がもつ『証明力』のこと。

例えばある契約書が、曖昧な条文が一切無く「確定的合意」がある、と認められるものであれば証明力は高く、反対に、クレーム時の品質保証や契約不適合責任の条文の記載も無いような契約書は、証明力は低いと言えます。

つまり、題名（タイトル）が覚書や合意書であったとしても『証明力』があれば訴訟で十分な証拠となり得るのです。（法的拘束力が高い）。

まとめ

今回は、契約書と覚書の違いと、両者の法的効力の違いについて解説しました。

• 契約書と覚書、両者はどちらも『契約書』の一種である
• 法的効力は「契約書」や「覚書」といった題名（タイトル）で決まるものではない
• 法的効力は、中身で決まる

これらの条件は表題（タイトル）が「合意書」や「誓約書」であっても同じです。

つまり契約トラブルを予防するためには、どのような表題（タイトル）であっても、一切の曖昧さを排除した確定的な条文で構成された契約書面でなければならない、という訳です。

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