
個人でスポーツインストラクターの仕事をしているんだけど、最近は幼稚園や児童クラブから定期的に指導の依頼が入るようになってきたよ。



良い感じじゃないですか!



そこで相談なんだけど、幼稚園との業務委託契約書って、どんな点に気をつけて作れば良いのかな?
子どもを相手にする仕事なので、特に注意すべき点とかあれば教えてくれニャいかな。



分かりました。
それでは今回は、個人で働くスポーツインストラクターの方向けに、幼稚園・保育園・児童クラブとの業務委託契約書の作り方や注意点を解説します。
今回は幼稚園・保育園を例に解説していますが、小学校や児童クラブ、学童保育においても契約書作成におけるポイントは同じです。また個人だけでなく、法人インストラクターの方にも役立つ内容となっています。
今回はスポーツインストラクターを例に解説していますが、ダンスや和太鼓、英語やリトミックなどの音楽系教育であっても本質的なポイントは同じです。
子どもを対象とした指導は特別な配慮が必要です。
契約書の作成においては、子どもの安全確保を最優先に考え、事故発生時の責任の所在や対応方法を明確にしておくことが重要です。
また、適切な保険への加入も強くお勧めします。
業務委託契約特有のリスク
私たちスポーツインストラクターが、幼稚園や小学校などの教育機関と業務委託契約を結ぶ際、そのメリットばかりに目を向けがちですが、特有のリスクも存在します。
これらのリスクを理解せずに契約を結んでしまうと、後々トラブルに発展する可能性があります。
実際にあるインストラクターは、放課後児童クラブとの契約で「指導中の事故の責任」について明確な取り決めがなかったため、園児が転んで怪我をした際に、責任の所在をめぐって園側とトラブルになったことがあります。
このようなことが実際に起こりますので、契約前に様々なリスクを想定しておくことが重要です。
- 偽装請負と認定されるリスク
- 子どもの怪我や事故に関する責任リスク
偽装請負リスク
業務委託契約を結んでいても、実際の働き方が雇用関係に近い場合「偽装請負」と判断されるリスクがあります。
例えば、幼稚園や児童クラブから厳密な勤務時間の指定や細かい業務指示を受けている場合、本来は雇用契約を結ぶべき関係であるとみなされる可能性があります。
- 業務内容や報酬、業務時間などを自分で決定できる裁量を確保する
- 複数の取引先を持ち、特定の教育機関に依存しない
- 契約書に「業務委託関係であり雇用関係ではない」ことを明記する
事故・怪我に関する責任リスク
子どもを対象とした指導では、怪我や事故が発生するリスクがつきものです。
特にスポーツ指導では、子どもたちが活発に動く場面が多く、予期せぬ事故が起こり得ます。
契約書に責任の所在が明確に定められていないと、インストラクターである私たちが過大な責任を負うことになりかねません。
- 傷害保険や賠償責任保険に加入しておく
- 契約書に事故発生時の責任範囲と対応手順を明記する
- 園の施設・設備に起因する事故とインストラクターの指導に起因する事故の区別を明確にする
例えば、園児が転倒して骨折した際に、適切な賠償責任保険に入っていないと、治療費の全額を負担する責任を負います。
これらのリスクを適切に管理し、保育園や児童クラブなどの教育機関との良好な関係を構築するためには、しっかりとした業務委託契約書を作成することが必要不可欠です。
次章では、スポーツインストラクター特有の契約書作成のポイントを詳しく解説していきます。
スポーツインストラクター業務委託契約書の重要ポイント
1.業務内容の明確化(指導内容、回数、時間など)
第1条(委託内容)
甲は、乙に対し、甲が運営する幼稚園・保育園(以下、「当園という」。)において、次に定める業務(以下「本業務」という。)を委託し、乙はこれを受託する。
(1) 当園に通う園児への運動指導(体操、ボール運動、鉄棒、マット運動等)
(2) 園児の体力測定及び分析
(3) 運動会などの園行事における運動指導と運営補助
(4) 園児の体力向上プログラムの企画及び実施
(5) 前各号に付随する業務
業務内容の明確化は、契約の核心となる部分です。
ここが曖昧だと「えっこの業務は契約の範囲外なんですけど」というトラブルの原因になります。
例えば「運動指導」という大まかな表現だけで契約してしまうと、後から運動会の準備や片付けまで求められるかもしれません。
- 指導内容をできるだけ具体的に列挙する(体操、ボール運動など)
- 指導頻度と時間を明記する(週1回60分など)
- 特別行事(運動会など)への参加条件を明確にする
- 付随業務の範囲を定める
具体的な指導時間と頻度については、以下のように明記するのが望ましいです。
第◯条(指導日時)
1. 乙は、原則として毎週水曜日の10時から11時までの60分間、当園において園児への運動指導を行うものとする。
2. 祝日、当園の休園日、その他甲乙協議の上で決定した日については、前項の限りではない。
3. 運動会等の特別行事については、別途甲乙間で日時及び報酬について協議するものとする。
さらに、指導内容の詳細や準備物についても明確にしておくと良いでしょう。
例えば
第◯条(指導内容の詳細)
1. 乙は、園児の年齢や発達段階に応じた適切な運動指導を行うものとする。
2. 乙は、指導に必要な道具や教材を持参するものとする。ただし、マット、跳び箱等の大型遊具については甲が用意するものとする。
3. 乙は、各指導の前に甲に対して指導計画書を提出し、甲の承認を得るものとする。
また、「付随する業務」の範囲はできるだけ明確にしましょう。
この部分があいまいだと、本来の業務範囲を超えた要求をされることがあります。
例えば、運動指導だけのつもりが、保護者会での説明や園だよりの原稿作成まで求められることもあり得るかもしれません。
また、業務内容の変更手続きについても明記しておくと良いでしょう。
第4条(業務内容の変更)
本契約に定める業務内容を変更する必要が生じた場合、甲乙は誠実に協議し、書面による合意をもって業務内容を変更することができる。
業務内容をこのように明確に定義することで、後々のトラブルを防ぎ、お互いの期待値を合わせることができます。
特に指導回数や時間は収入に直結する重要な要素なので、曖昧にせず具体的な数字で記載することをお勧めします。
2.契約の前提条件(資格要件など)
第●条(前提条件)
乙は、以下の事項全てを確約することを条件として、甲と本契約を締結するものとする。
(1) 以下のいずれかの資格または同等の技能を有し、その資格証明書の写しを本契約締結日までに甲へ提出すること
ア ◯◯協会公認スポーツ指導者資格
イ 幼児体育指導者資格
ウ 健康運動指導士
エ その他、甲が認める同等の資格や技能
(2) 直近◯年以内に幼児・児童への指導経験を有すること
(3) 個人事業の開業届を税務署に提出し、その写しを甲に提出すること
(4) 乙の責任と負担において、賠償責任保険に加入していること
前提条件は、契約を結ぶ前の「資格」のようなもの。
これは委託側が専門性の高いインストラクターを確保するための重要な条件と捉えましょう。
- 自分の持つ資格を明確に示し、専門性をアピールする
- 指導経験を具体的に記載し、信頼性を高める
- 個人事業主であることを証明する書類の提出を明記する
- 賠償責任保険への加入を明示して、安全面への配慮を示す
特に賠償責任保険への加入は、子どもを相手にした仕事では非常に重要です。
例えば、指導中に園児がつまずいて転んだ際に、賠償責任保険に加入しておけば治療費の問題をスムーズに解決できますし治療費の負担を回避することができます。
保険については、以下のように詳細を追加すると良いでしょう。
第●条(保険加入)
1. 乙は、本業務の遂行中に発生する可能性のある事故等に備え、賠償責任保険に加入するものとし、その保険証券の写しを甲に提出するものとする。
2. 前項の保険は、1事故あたり少なくとも◯万円以上の補償額を有するものとする。
3. 乙は、本契約期間中、当該保険を継続して維持するものとする。
また、子どもと接する仕事の性質上、身体的・精神的な健康状態についても言及することがあります。
第●条(健康状態)
乙は、本業務を安全に遂行するために必要な身体的・精神的健康状態を維持していることを表明し、甲から求められた場合には健康診断書を提出するものとする。
個人事業主としての立場を明確にするための開業届についても、提出時期を明確にしておくと良いでしょう。
第●条(事業者としての地位)
乙は、独立した事業者として本業務を行うものとし、本契約締結日から1ヶ月以内に個人事業の開業届を税務署に提出し、その写しを甲に提出するものとする。なお、乙がすでに開業届を提出している場合は、その写しを本契約締結日までに甲に提出するものとする。
さらに、最近では特に子どもを対象とした仕事では身元確認の意味で、犯罪歴のないことを証明する書類(無犯罪証明書など)の提出を求められることもあります。
こうした書類の提出も前提条件となる場合があります。
前提条件は、契約開始前に満たすべき条件です。
これらをしっかりと満たしておけば教育機関側からの信頼を得ることができます。



特に子どもの安全に関わる条件(保険や健康状態)は、妥協せずにきちんと整えておきましょう。
3.雇用関係の否定(独立した事業者であることの確認)
第●条(業務委託の確認)
本業務に関して、甲と乙とは、本契約に基づく業務委託契約を締結しており、両者間において労働基準法等に定める雇用関係は存在しない。したがって、乙については、各種社会保険(健康保険、厚生年金保険)、雇用保険及び労災保険の被保険者としての地位を有しないものとする。乙は独立した事業者として、自らの判断と責任において本業務を遂行するものとする。
雇用関係の否定に関する条項は、業務委託契約の本質に関わる非常に重要な部分です。
この条項により、(受託者)スポーツインストラクターと(委託者)幼稚園・児童クラブとの関係が雇用関係ではなく、独立した事業者間の契約関係であることを明確にします。
- 雇用関係ではないことを明確に表明する
- 社会保険や労働保険の適用がないことを明記する
- 独立した事業者として業務を遂行する旨を強調する
- 業務遂行における裁量権を明確にする
この条項をさらに強化するために、以下のような詳細を追加することも有効です。
第●条(独立した事業者としての地位)
1. 乙は、独立した事業者として、自らの責任と判断において本業務を遂行するものとする。
2. 乙は、本業務の遂行にあたり、原則として自らの用具・機材を使用するものとする。
3. 乙は、甲の施設内において本業務を遂行する場合であっても、甲の指揮命令に服するものではなく、業務遂行の方法や手段について自らの裁量で決定するものとする。
4. 乙は、本契約に基づく業務以外にも、第三者に対して同種のサービスを提供することができるものとし、甲はこれを制限しないものとする。
5. 乙は、自らの判断により、甲の承諾を得た上で、本業務の一部を第三者に再委託することができるものとする。
独立した事業者であることを具体的に示す行動パターンを条項に盛り込むことで、実態としても雇用関係ではないことを明確にします。
例えば、指導方法や内容についての裁量権、自らの用具・機材の使用、他の取引先との契約の自由などが重要な要素です。
ただし、契約書にこのような条項があっても、実態が雇用関係に近い場合は「偽装請負」と判断される可能性があります。
契約書の文言だけでなく、実際の業務遂行において以下のような点に注意が必要です。
- 教育機関から細かい指示を受けて動くのではなく、指導内容や方法は基本的に自分で決定する
- 決まった時間に出勤するのではなく、指導の時間帯だけ施設を利用する
- 特定の教育機関だけでなく、複数の取引先と契約を結ぶ
- 教育機関の職員として名札をつけたり、制服を着用したりしない
また、納税面でも独立した事業者であることを示すために、以下のような条項を加えることが効果的です。
第●条(租税公課)
本契約に関連して生じる租税公課については、乙が自らの責任において申告・納付するものとする。
甲は、法令に基づき源泉徴収を行う場合を除き、乙に対する報酬から所得税その他の税金を控除しないものとする。
実務上、この条項の重要性は非常に重要です。
スポーツインストラクターが雇用関係にあると誤解されると、(委託者)幼稚園・児童クラブには社会保険料の事業主負担や労働基準法上の義務が発生します。
また、インストラクター側も自由な働き方や経費計上などの面で不利益を被ることになります。
契約書作成時には、こうした雇用関係との明確な区別を意識し、独立した事業者としての地位を適切に表現することが、両者にとって重要なポイントとなります。


業務委託契約と労働契約の違い
業務委託契約と労働契約の主な違いは以下の通りです。
必ず確認しておきましょう。
項目 | 業務委託契約 | 労働契約 |
---|---|---|
指揮命令関係 | 基本的になし(独立した事業者として業務を遂行) | 使用者による指揮命令あり |
報酬の性質 | 業務の完遂に対する対価 | 労働時間に対する賃金 |
社会保険 | 原則として適用なし | 条件を満たせば強制適用 |
就業時間 | 業務受託者が自由に決定可能 | 使用者が指定 |
4.指導上の安全配慮義務と責任範囲
第●条(安全配慮義務)
1. 乙は、本業務の遂行に際して、園児の年齢、発達段階、体力等を考慮し、安全面に最大限配慮した指導を行うものとする。
2. 乙は、指導前に施設や用具の安全確認を行い、危険と判断した場合は速やかに甲に報告し、必要に応じて指導内容の変更または中止を判断するものとする。
3. 乙は指導中の園児の体調変化に十分注意を払い、異常を発見した場合は直ちに甲に報告するとともに、適切な措置を講じるものとする。
子どもを対象としたスポーツ指導では、安全配慮義務が特に重要となります。
指導中の事故や怪我は、契約上の大きなリスク要因となるため、責任の所在を明確にしておく必要があります。
- 年齢や発達段階に応じた安全な指導を行う義務
- 施設・用具の事前点検義務
- 危険発見時の報告義務と対応
- 園児の体調管理への配慮
さらに重要なのが、事故発生時の責任範囲を明確にすることです。
第●条(事故時の責任)
1. 乙が本業務の遂行中に発生した事故や怪我について、以下のように責任を分担するものとする。
(1)乙の指導上の過失に起因する事故については、乙がその責任を負うものとする。ただし、乙は第●条に定める賠償責任保険の範囲内で対応するものとし、保険の限度額を超える損害については、甲乙協議の上決定するものとする。
(2)施設・設備の瑕疵に起因する事故については、甲がその責任を負うものとする。
(3)園児自身の不可抗力による事故や、両者の責めに帰することができない事由による事故については、甲乙協議の上、誠実に解決を図るものとする。
2. 前項の責任の所在が不明確な場合、甲乙は誠実に協議し、社会通念上相当と認められる範囲で責任を分担するものとする。
実務上、事故発生時の対応についても明確に規定しておくことが重要です。
第●条(事故発生時の対応)
1. 乙は、指導中に事故や怪我が発生した場合、以下の対応を行うものとする。
(1)直ちに甲に報告し、園児の安全確保と応急処置を最優先に行う。
(2)事故発生から24時間以内に、書面または電子メールにて事故状況報告書を甲に提出する。
(3)必要に応じて、保護者への説明に同席する。
2. 甲は、保護者への連絡、医療機関への搬送手配等、事故対応の主体となるものとする。
3. 乙は、類似事故の再発防止のため、甲と協力して原因分析と改善策の検討を行うものとする。
特に重要なのは、インストラクターの過失と施設の瑕疵を明確に区別することです。
例えば、指導中の不適切な声掛けや見本の見せ方による怪我はインストラクターの責任となりますが、床の破損や遊具の不具合による事故は施設側の責任となります。
また、安全管理体制についても規定しておくことも有効です。
第●条(安全管理体制)
1. 甲は、乙の指導中も園児の安全管理の最終責任者として、常時1名以上の職員を指導場所に配置するものとする。
2. 乙は、指導開始前に当日の指導内容と安全上の注意点を甲に説明し、協力体制を確認するものとする。
3. 乙の指導中であっても、緊急時の避難指示や安全確保の指示については、甲が優先的に行うことができるものとする。
法的観点から見ると、子どもを預かる園には「在園契約」に基づく安全配慮義務があり、外部のスポーツインストラクターに業務を委託した場合でも、この義務は完全には免除されません。
したがって、教育機関側とインストラクター側の責任範囲を明確に区分し、協力して安全管理を行うことが重要です。
安全配慮義務に関する条項は、契約書全体の中でも特に慎重な検討が必要な部分です。



両者が納得できる形で責任範囲を定めておいた方が良さそうだね。
5.報酬体系と支払い方法
第●条(報酬)
- 本契約の報酬は、以下のとおりとする。
(1)通常指導 1回(60分)あたり:●●円(消費税込み)
(2)運動会等特別行事 1日あたり:△△円(消費税込み)
(3)カリキュラム作成費:月額◇◇円(消費税込み)- 甲の都合により指導がキャンセルとなった場合、キャンセルの連絡が指導予定日の7日前までになされたときは報酬は発生しないものとし、それ以降のキャンセルの場合は、予定されていた報酬の50%を乙に支払うものとする。ただし、天災地変その他の不可抗力による場合はこの限りではない。
- 前各項による報酬は月末締めとし、乙は翌月●日までに甲へ請求書を発行する。甲は、当該請求書を受領した日の属する月の末日までに、乙の指定する銀行口座に振り込む方法により支払うものとする。なお、振込手数料は甲の負担とする。
報酬に関する条項は、スポーツインストラクターにとって重要な部分です。
明確な報酬体系と支払い条件を定めることで、安定した事業運営が可能になります。
- 指導形態ごとの報酬額を明確に規定する
- キャンセル時の報酬保証条件を設ける
- 支払いサイクルと支払い方法を明記する
- 交通費等の実費精算の有無を明確にする
交通費や教材費等の実費については、別途以下のように規定することが望ましいです。
第●条(実費精算)
1. 乙が本業務の遂行にあたり負担した以下の費用については、甲が実費を負担するものとする。
(1)甲の事前承認を得た教材費・消耗品費
(2)甲の要請により遠隔地で指導を行う場合の交通費・宿泊費
2. 前項の実費精算は、乙が甲に対して領収書等の証憑書類を添付した精算書を提出し、甲がこれを承認することにより行うものとする。
3. 通常の指導に関する交通費は報酬に含まれるものとし、別途精算は行わないものとする。
長期契約の場合は、報酬改定についても規定しておきましょう。
第●条(報酬の改定)
1. 本契約締結後、経済情勢の変動、物価の上昇、または乙の技能向上等の事情により、第●条に定める報酬額が不相当となった場合、甲乙協議の上、報酬額を改定することができる。
2. 前項の報酬改定は、書面による合意がなされた場合に限り効力を生じるものとする。
消費税の取り扱いについても明確にしておくと良いでしょう
第●条(消費税)
本契約に基づく報酬には、消費税及び地方消費税が含まれるものとする。なお、消費税率の変更があった場合は、変更後の税率を適用するものとする。
報酬の支払い遅延に対する対応も規定しておくと安心です。
第●条(支払遅延)
甲が本契約に基づく報酬の支払いを遅延した場合、甲は乙に対し、支払期日の翌日から支払済みまで年14.6%の割合による遅延損害金を支払うものとする。
報酬額の設定にあたっては、単に時間単価だけでなく、指導内容の専門性や準備時間も考慮しましょう。
例えば、通常の運動指導と、運動会という特別行事での指導では、準備の手間や責任の重さが異なるため、報酬額にも差をつけるべきです。
また、報酬の請求書には「業務委託料」あるいは「指導料」など、雇用関係を想起させない表現を用いることも、独立した事業者としての立場を明確にする上で有効です。
なお、消費税の課税事業者でない小規模事業者(免税事業者)の場合でも、請求書に「消費税込み」と記載することは問題ありません。



ただし、課税事業者となった場合には、適切に消費税の申告・納付を行う義務があるから注意が必要だね。
6.指導スケジュールと時間調整の方法
第●条(指導スケジュール)
1. 乙は、原則として毎週●曜日の●時から●時までの60分間、当園において本業務を行うものとする。
2. 前項のスケジュールは、甲乙間の協議により変更することができる。
3. 祝日、当園の休園日、その他甲乙協議の上で決定した日については、指導を行わないものとする。
スケジュールの調整は、インストラクターと園の間でよくあるやりとりです。
お互いの予定を尊重しつつ、子どもたちにとって最適な時間を設定することが大切です。
- 基本的な指導曜日と時間を明確に決めておく
- スケジュール変更の手続きを簡潔に定める
- 祝日や園の行事による休講の扱いを決めておく
- インストラクター側の都合による休講や振替の条件を明記する
実際の運用面では、次のような規定も役立ちます。
第●条(スケジュール調整)
1. 甲は、行事予定等により第●条のスケジュールを変更する必要がある場合、原則として変更希望日の2週間前までに乙に連絡するものとする。
2. 乙は、やむを得ない事情により指導ができない場合、速やかに甲に連絡し、代替日の設定等について協議するものとする。
3. 乙が病気その他のやむを得ない事情により指導を休講する場合、原則として乙の責任において代替のインストラクターを手配するものとする。ただし、代替者の起用については、事前に甲の承認を得るものとする。
年間スケジュールの策定についても触れておくと、長期的な見通しが立てやすくなります。
第●条(年間スケジュール)
1. 甲及び乙は、毎年3月末日までに、翌年度(4月から翌年3月まで)の指導スケジュールについて協議し、年間予定表を作成するものとする。
2. 年間予定表は、園の行事予定等により変更される場合があることを、甲乙双方があらかじめ了解するものとする。
園の一日のスケジュールに合わせた指導時間の設定も大切です。
第●条(指導時間)
1. 乙の指導時間は、原則として60分間とする。
2. 前項の指導時間には、準備及び片付けの時間を含まないものとする。
乙は、指導開始の15分前に当園に到着し、準備を整えるものとする。
3. 乙は、指導終了後、使用した用具の片付け及び甲との簡潔な情報共有を行った上で退園するものとする。
実際の現場では、特に準備と片付けの時間をどう扱うかがポイントになります。
指導時間とは別に、これらの時間の取り扱いを明確にしておくことで、後々のトラブルを防げます。
天候や災害時の対応についても触れておくと安心です。
第●条(天候・災害時の対応)
1. 台風、大雪、地震その他の災害により、甲が休園または 短縮保育とした場合、当日の指導は中止とする。
2. 屋外での活動を予定していた場合で、雨天により実施が困難な場合、甲乙協議の上、室内での代替プログラムを実施するか、または指導を中止するかを決定するものとする。
3. 前2項により指導が中止となった場合の報酬については、第●条の規定を適用しない。甲乙協議の上、振替日を設定するか、または当該回の報酬を支払わないものとする。
スケジュール調整は、日々の運営において頻繁に発生します。
お互いの都合を尊重しながらも、子どもたちの教育効果を最大化するという共通の目標を見失わないよう、柔軟でありながらも一定のルールを設けておくことがポイントです。
うまく行っている現場では、LINEグループやメールなどを活用して、迅速かつ記録が残る形でスケジュール調整を行っています。



こうした実務的な連絡方法についても、契約書に盛り込んでおくと便利です。
7.保険加入の必要性
第●条(保険加入)
1. 乙は、本業務の遂行中に発生する可能性のある事故等に備え、賠償責任保険に加入するものとし、その保険証券の写しを甲に提出するものとする。
2. 前項の保険は、1事故あたり少なくとも1,000万円以上の補償額を有するものとする。
3. 乙は、本契約期間中、当該保険を継続して維持するものとする。
子どもを対象とするスポーツ指導では、保険への加入は「あったら良いもの」ではなく「必須のもの」と考えるべきです。
どんなに注意していても、子どもの行動は予測不可能な面があり、思わぬ事故やケガが発生することがあります。
- 賠償責任保険への加入は必須(指導中の事故に対応)
- 傷害保険も検討する(自身のケガに対応)
- 十分な補償額の保険を選ぶ
- 保険証券の写しを提出して信頼関係を構築
インストラクターにとって検討すべき保険の種類はいくつかあります。
- 賠償責任保険:指導中に子どもがケガをした場合など、第三者への賠償責任をカバー
- 傷害保険:指導中に自分自身がケガをした場合の治療費などをカバー
- 所得補償保険:ケガや病気で指導ができなくなった場合の収入減をカバー
- 施設賠償責任保険:施設の欠陥による事故の責任をカバー(主に施設側が加入)
保険の選び方について、以下の点も考慮すると良いでしょう。
第●条(保険の選定)
1. 乙は、以下の点を考慮して適切な保険を選定するものとする。
(1)指導する子どもの年齢や人数
(2)指導する運動の種類と危険度
(3)使用する用具や設備の特性
2. 乙は、保険の内容に変更があった場合、速やかに甲に報告し、変更後の保険証券の写しを提出するものとする。
スポーツインストラクターの業界団体が提供する保険を活用するのも一つの方法です。
スポーツ団体によっては、会員向けに割安な保険プランを提供していることがあります。
実際に事故が起きた場合の保険適用手続きについても明確にしておくと安心です。
第●条(保険適用手続き)
1. 指導中に事故が発生し、保険の適用が必要となった場合、甲乙は協力して速やかに保険会社への通知と必要書類の提出を行うものとする。
2. 保険金の請求手続きは原則として乙が行うものとするが、甲は必要な情報の提供など、乙に協力するものとする。
保険料の負担についても触れておくと良いでしょう。
基本的には事業者として自分で負担するのが原則ですが、園側が負担してもかまいません。
第●条(保険料の負担)
第●条に定める保険の保険料は、原則として乙が負担するものとする。ただし、甲の特別な要請による高額な補償内容の保険については、甲乙協議の上、甲が一部を負担することができるものとする。
保険は「いざという時のため」のものですが、その存在自体が教育機関に安心感を与え、信頼関係の構築に役立ちます。
適切な保険に加入していることで、「万が一の際にも責任をもって対応できる事業者」というプロフェッショナルなイメージを示すことができます。
特に個人事業主のスポーツインストラクターにとって、十分な補償内容の保険は事業継続のためのセーフティネットとなります。



少しコストがかかっても、安心して指導に専念できる環境づくりの一環として、保険加入を前向きに検討しましょう。
まとめ:スポーツインストラクターが教育機関と結ぶ契約書のポイント
ここまで、個人のスポーツインストラクター向けに、幼稚園・保育園・児童クラブとの業務委託契約書の作成で気を付けるポイントを7つ解説しました。
最後に、押さえておくべき重要事項をまとめます。
- 独立した事業者としての立場を明確に
雇用関係ではなく業務委託契約であることを明記し、偽装請負のリスクを回避しましょう。
開業届の提出や確定申告の実施など、事業者としての責任も果たしましょう。 - 業務内容と報酬を具体的に
指導内容、回数、時間、報酬額を明確に定め、キャンセル時の対応や支払い条件もしっかり決めておきましょう。曖昧な表現は避け、具体的な数字で表現することが大切です。 - 子どもの安全を最優先に
安全配慮義務と責任範囲を明確にし、万一の事故に備えた体制を整えましょう。
適切な保険への加入は必須です。
子どもの安全を守ることは、委託者である園との信頼関係構築の基盤となります。 - スケジュール調整の方法を明確に
基本的な指導日時と変更手続き、キャンセル時の対応を定めておきましょう。
お互いの予定を尊重しつつ、子どもたちの教育効果を最大化するよう心がけましょう。 - 必要な保険に加入する
賠償責任保険を中心に、活動内容に応じた適切な保険に加入しましょう。
保険は「コスト」ではなく「投資」と考え、安心して指導に専念できる環境を整えましょう。 - 契約終了時の条件を定める
契約期間や更新条件、中途解約の手続きを明確にし、円滑な契約終了ができるようにしておきましょう。
後々のトラブルを防ぐためにも重要です。 - 定期的な見直しを行う
契約内容は定期的に見直し、必要に応じて更新しましょう。
特に報酬や業務内容は、経験や実績を積むにつれて変更が必要になることもあります。
契約書の作成は難しく感じるかもしれませんが、お互いの権利と義務を明確にすることで、トラブルを未然に防ぎ、長期的な信頼関係を築くことができます。
特に子どもを対象とした指導では、安全面や責任の所在を明確にすることが非常に重要です。
適切な業務委託契約書を用いて、依頼元様とウィン・ウィンの関係を築いていきましょう。
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