長女が4月から中学生になった。
そして入学と同じタイミングでゴリゴリの反抗期が始まった。
話しかけても無視するし、目も合わさない。
突然の変貌ぶりに度肝を抜かれたが、冷静に考えると娘も13歳だ。
反抗期がきてもおかしくはない年齢ではある。
しかし街では年頃の娘が父親と二人で仲良さそうに歩いている光景を目にすることがある。
この違いは一体どこにあるのだろうか?と不思議に思った。
そこでネットで「反抗期 原因」などと検索してみた。
すると最初にヒットしたのはこんな記事だった。
「娘に嫌われるお父さん、こんな接し方をしていませんか?」
- 子どもの意見を尊重しない
- いつまでも親の権威を振るう
- いつまでも子ども扱いをする
こんな事をしていたら嫌われるぜ?という内容だった。
しかし私には全く当てはまらなかった。
本人が「やりたい」と思ったことは全て肯定してきたし、させてきた。
態度が悪くても注意はするが、権威を振りかざして激昂することもない。
だからこの記事を読んでも全然納得できなかった。ひょっとしたら根本的な原因が他にあるのかもしれないが、それは本人から聞かない限り分からない。
反抗期の原因をもう少し別の角度から掘り進めると、一つ「それっぽい」原因を突き止めることができた。
それは教育方針とか育て方とかいう概念ではなく『遺伝子レベル』の話だった。
根拠となる論文は見つけられなかったが、いくつも同様の結果がヒットしたので恐らく信憑性は高いと思う。
内容をざっくり説明するとこうだ。
アメリカかイギリスの生物学者がある研究をおこなった。
被験者の女性たちに、男性が何日か着続けて汗の染みこんだTシャツの匂いを何枚も嗅がせるというもの。
Tシャツの匂いは大別すると2種類。
①父親や男兄弟、親類などの血縁者の臭いを染み込ませたもの
②まったくの無関係~非血縁者の男性の臭いを染み込ませたもの
結果、被験者たちが好んだ臭いは②まったくの無関係~非血縁者の男性の臭いを染み込ませたものだった。
この結果は「遺伝子的により遠い異性との間で生まれた子どもの方が、健康や発達に都合が良い」という生物学的に筋が通ったものだった。
自分に近い遺伝子より多種多様な遺伝子を交じり合わせたほうが、子孫の繁栄(サバイバル)上有効であるというのだ。
従って、年頃の娘が「私の洗濯物をパパと一緒に入れないで!」と言うのは遺伝子的に当然の話だったのだ。
なるほど、この説明なら腹に落ちる。
確かに考えてみれば、一般的には血族内で出産することは滅多にないし、メジャーリーガーの大谷は容姿淡麗・アスリートの女性(遠くかつ優秀な遺伝子)を婚約者に選んだ。
中学進級と同時に人が変わったように反抗期に突入した娘に順応できずに狼狽えていたが、この記事を読んで妙に納得してしまった。
話を冒頭に戻すと、年頃の娘と仲良くしている父親の秘訣は調べてもよく分からなかった。
家庭環境や本人の性格によるのだろうが、もうこればっかりはどうしようもない。
また「娘の反抗期はいつまで続くのか?」と検索もしてみた。
こちらに関しては悲しい現実を知ることになる。
女性は結婚し出産すると、赤ちゃんを守るために男性である夫を外敵とみなして本能的に攻撃するようになる。
一方で、身内である父親は味方と判断して距離感が急に縮まる、というのだ。
この記事は根拠論文や学説など引用元が無かったので真意は定かではない。
しかしあながち全否定するほど信憑性が低いものではなさそうだ。
距離感が再び縮まるのは嬉しいことだが、娘が結婚・出産するのは20年後になるかもしれない。
そもそも結婚も出産もしないかもしれない。
この記事を読んだ瞬間、「俺の子育ての大半は既に終了したんだな」と若干悲しくなってしまった。
「子どもと過ごす時間の8割は小学校卒業まで」とは聞いていたが、確かにそうかもしれない。
反抗期は寂しいが、私にもあった。
むしろ一番苦しいのは当の本人だろう。
親や大人に対して言葉に形容できない苛立ちを感じる多感な時期なのだ。
思春期を迎え初めて対峙する自分。
自己表現と協調。
オトナへ抵抗。
ブルーハーツ「ロクデナシ」の歌詞が頭を巡る。
いまは温かく見守ろう。
役立たずと罵られて最低と人に言われて
要領良く演技出来ず愛想笑いも作れない
死んじまえと罵られてこのバカと人に言われて
うまい具合に世の中とやって行くことも出来ない
全てのボクのようなロクデナシのために
この星はグルグルと回る
劣等生でじゅうぶんだ
はみだし者でかまわない
お前なんかどっちにしろいてもいなくても同じ
そんな事言う世界ならボクはケリを入れてやるよ
痛みは初めのうちだけ慣れてしまえば大丈夫
そんな事言えるアナタはヒットラーにもなれるだろう
全てのボクのようなロクデナシのために
この星はグルグルと回る
劣等生でじゅうぶんだ
はみだし者でかまわない誰かのサイズに合わせて 自分を変えることはない
ロクデナシ/ザ·ブルーハーツ
自分を殺すことはないありのままでいいじゃないか
全てのボクのようなロクデナシのために
この星はグルグルと回る
劣等生でじゅうぶんだ
はみだし者でかまわない
劣等生でじゅうぶんだ
はみだし者でかまわない
劣等生でじゅうぶんだ
作詞 真島昌利
作曲 真島昌利