業務委託契約書を交わしていたのに契約違反が。3つの対処方法を解説

three-handles
ユキマサくん

納品が完了したのに契約の相手が報酬を支払ってくれないんだよ。
せっかく業務委託契約書も交わしていたのに。
一体どうしたらいいのかニャ?

純さん

それは大変ですね。
今回は契約(約束)違反があった場合の3つの対処法について解説します。

目次

契約書の完成度の高さと報酬の支払いは別物

フリーランスや個人事業主は、相手方企業と業務委託契約書を交わす機会は多いです。

しかし、どんなに時間をかけて質・量ともに高い業務委託契約書を締結していたとしても、相手方が契約を100%履行してくれる保証にどこにもません。

なぜなら、契約書はあくまでも互いの債権債務を確認し、契約の目的(ゴール)を合意した文書に過ぎないからです。

それでは契約書の締結自体が無意味なのか?と問われれば、それは違います。

確かに契約書は公正証書のように、契約当事者の一方が債務不履行が発生した場合、公正証書に基づき相手方の財産を裁判をせずに強制執行できるような効力は有しません。

しかし、通常の業務委託契約書であっても、契約の解除や損害賠償請求に関する規程を設けることがほどんどですので、その内容に沿って相手方に履行を促すことは可能です。

このとき契約の解除や損害賠償請求に関する条項が漏れていたとしても慌てる必要はありません。

その場合は民法の原則に従って、履行を請求していく流れとなります。

イメージとしては、先に当事者同士の決め事(合意事項)が優先され、規程がない場合にようやく民法や商法の出番という位置づけです。

つまり業務委託契約書は、相手方の債務不履行が生じた場合に問題をスムーズに解決してくれる重要なツールとなるため、絶対に締結しておく必要があるのです。

それでは次に業務委託契約の相手方が、債務不履行(約束を守ってくれない)の場合の3つの対処法について解説します。

内容証明郵便で履行の催告

履行の催告とは、契約の相手方が報酬の支払い期限を過ぎても支払ってくれない場合に「早く報酬を振り込んでくれ!」と促すこと。

催告の方法は、電話やメールが一般的ですが、それらの催告で直ぐに支払ってくれないから困っているわけですよね。

この場合は『内容証明郵便』にて催告する方法が有効です。

内容証明郵便とは、「いつ」「誰が」「誰に」「どういう内容の」郵便を送ったかを証明できる特殊郵便のこと。

未払い報酬の督促や契約の解除通知などの場面で利用されます。

内容証明郵便自体に法的な効力はありませんが、契約相手に対して決然たる態度を示し、心理的なプレッシャーを与えるとともに「支払いが遅延した場合は裁判も辞さないこと」などを伝えることで、相手方に履行を強く促すことできる点が最大のメリットです。

その一方デメリットとして、内容証明郵便を送ることで、かえって契約の相手方と亀裂が生じる可能性もある点が挙げられます。

内容証明郵便は、その郵送手段や文面デザインも含めて、相手方にこちらの意思を強力に主張する『宣戦布告』としての効力を持ち合わせますので、書面を受け取った相手方によっては「せっかく明日支払おうと思っていたのにこんなものを送り付けて!」と気持ちを逆なでしてしまう弊害もあります。

つまり、相手方と今後も良い契約関係を継続していく意志が少しでもあるならば、内容証明郵便の発送は慎重になった方がよいでしょう。

なお、内容証明郵便を発送する方法は、

  • 郵便局の窓口に直接持ち込む
  • インターネットで発送(e内容証明)

の2パターンがあります。

郵便局窓口での内容証明は、1枚520文字までと定めていますが、e内容証明は文字数を定めておらず、Wordの標準的な設定で記入した場合は1枚に1,584文字を記載できます。 

文書の文字数や通数が多い場合は、e内容証明の方が郵便局の窓口よりも安価です。

窓口持ち込みとe内容証明、どちらで発送するか悩む場合は、窓口からの書面発送がお勧め。

理由は、窓口発送の方が、相手に与える心理的圧迫の度合いが高いから。

普段私たちは、内容証明郵便を受け取る機会が滅多にありませんから、その独特のフォントと文字列で描かれた冷血な匂いすらする内容証明郵便は、相手方により一層強い心理的圧迫を与えることができるでしょう。

契約の解除

業務委託契約書の中には、1度の取引で契約関係が終了する請負契約もあれば、継続的取引が続く「コンサルティング契約」や「ホームページの保守管理契約(準委任契約)」のような取引もあります。

これら契約の特徴は、原則契約の相手方が「契約解除の意思表示」をしない限り契約関係が続くことです。

しかし、契約関係が継続中にもかかわらず、報酬が支払われないと困りますよね。

このような場合に備えて、業務委託契約書において、契約解除に関する条項を定めておくことが多いです。

例えば「報酬の支払いがなく催告をしたにもかかわらず、支払いがない場合は契約を即時解除できるものとする」など。

注意点として、契約内容によって契約を即時解除できるケースもあれば、事前に催告をした後でなければ解除できないケースもあることを覚えておいてください。

例えば、業務委託契約ではありませんが、賃貸借契約の場合が正にこれに該当します。

家賃の支払いが1度でも滞った場合、大家さんは契約を即時解除して「直ぐにアパートから出ていけ!」と強制することはできないのです(判例)。この場合は、事前に入居者への催告が必要で、なおかつ入居者と引き続き良い信頼関係を築いていくことが困難と認められなければ契約を解除できません。

なお、催告と同時に報酬の支払いを要求する方法として、上記の内容証明郵便が有効です。

【文例】本書面の到達の日から◯日以内に、金◯◯万円を支払いください。当該期間内にお支払いがなき場合は、別途通知すること無く、本件コンサルティング契約を解除することを予め通知する。

損害賠償請求

履行の催告をしても、内容証明郵便を送っても相手方が報酬を支払ってくれない。

そして報酬未払いによってあなたが損害を被った場合は、相手方に損害賠償請求をすることが可能です。

損害賠償請求するためには以下の2つの要件が成立していることが条件

  1. 相手の不法行為にもとづく損害が発生していること
  2. 相手の債務不履行によって損害が発生していること

ただし、上記2つの条件が揃っていた場合であっても、その債務不履行が、契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであることを主張立証した場合は、債権者の請求は認められません。

少し砕けた言い方をすると「債務不履行があったとしても、報酬の支払いが遅れたのは自分のせいではないことを相手方が証明できた場合は、あなたは損害賠償請求できませんよ」ということ。

また、報酬や家賃などの『金銭債務』の不履行の場合は、例えそのとき大きな地震や戦争が起きていたとしても、それを言い訳にはできず、またそれを証明する必要もない、という民法の規程があります。

第419条【金銭債務の特則】
① 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
② 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
③ 第1項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

つまり、個人事業主やフリーランスであるあなたは「業務委託契約書で支払い期日を定めていたにもかかわらず、報酬が支払われなかったこと」を主張立証さえすれば、業務委託契約書にて定めた約定利率に基づき損害賠償請求をすることが可能なのです。

まとめ

今回は、業務委託契約書を締結していたにもかかわらず、相手方から報酬が支払われない場合の3つの対処法について解説しました。

  1. 履行の催告
  2. 契約の解除
  3. 損害賠償

①と②の場合は、内容証明郵便を用いることが有効でした。

いずれにしても、適正な契約の履行を促すためにも、また履行がなされたなかった場合に備えても、業務委託契約書の締結は重要です。

契約の相手方とは、なあなあの関係で、業務委託契約書を交わしていない方は多いと思います。

今からでも遅くはありませんので至急契約書を交わしておきましょう。

また、業務委託契約書を交わしてはいるものの、ネットで拾った契約書をそのまま自社に用いている方は大変危険です。

改正された民法が反映されていないばかりか、自社に不利な条件が規定されている場合もあります。

一度、行政書士や弁護士など、契約法務の専門家にリーガルチェックを受けてもらうと良いでしょう。

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