【ブログ】行政書士独立開業から1年を振り返ると「行政書士は最高だ」以外の言葉が見当たらない

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2022年5月1日に行政書士として独立開業、本記事の執筆日は2023年の5月1日。
今日で開業から1年が経過したことになる。

妻子と子供(中学生と小学生の2人)と住宅ローンを抱えた働き盛りの中年サラリーマンが、金無しコネ無し経験無しで試験合格後に即独立。
さらに住宅ローンとは別に事務所をあらたに契約。

この事務所家賃も支払いながら、よく1年間廃業せず今日まで生き残れたな、と自分でも驚いている。

今回は開業から1年を振り返る話。

行政書士試験の合格者や行政書士での独立を躊躇している人の後押しとなれば幸いだ。

目次

高揚感が続いた開業から1ヶ月間

独立して直ぐに取り掛かったことは、開業報告だ。

友人・知人はもちろんだが、自動車ディーラーの勤務時代に出会った一部の仲の良いお客さんに向けて開業の葉書を出したりLINEで報告を入れたりした。

LINEは直ぐに返信がきたが、その内容の多くは「行政書士ってなにをする人かよく分からないけど独立とか凄いね、おめでとう」といった類のものばかりだった。
なるほど、一般的な行政書士の認知度はこの程度なのか、と少し悲しい気持ちになったのを覚えている。

しかし、3日程経ってからだろうか。

葉書を受け取った方から、開業祝いのお花が続出と事務所に届いた。

その中には何年間も会っていない方もいる。

また事務所に直々にお祝いの品を持参していただいた方もいた。

この時ばかりは嬉しすぎて「この方々の期待を裏切るわけにはいかない。成功よりも絶対に廃業するわけにはいかないな」と固く決意した。

嬉しい日々は開業から2,3週間は続いた。

この時にいただいたお花の中には観葉植物がいくつかあって、これらは今でも事務所の応接室に大事に飾っている。
モシャモシャと葉っぱを生い茂げらせ、事務所を優しい緑に包み込んでくれている。

仕事がない

感動的な日々はそう長くは続かない。

お祝いの挨拶が一段落すると、事務所に静寂が訪れた。そう、仕事がないのである。

事務所に朝から夕方まで自分一人だし、電話もLINEの通知も鳴らない。

鳴ったとしても大抵は「仕事を紹介しますよ」関係の営業電話だ。

正直、ここまで暇とは思っていなかった。その理由は開業前にネットで読んだ開業ブログにある。

記事の多くには「開業直後はご祝儀案件がある」と書かれていた。

開店オープンの時だけわんさか友人がお店に来てくれるように、少なからずは相続関係で困っている人からの依頼があるのではないか?と淡い期待を抱いていたのだ。

ところがである、待てど暮せど電話が鳴らない。

これには本当に参った。あまりにも暇なので、当時は毎日掃除ばかりしていた。

松下幸之助も鍵山秀三郎も「掃除は商売の基本だ」と言っていたので、私も見習ったのだ。

ラジオ体操もできないほど狭い事務所を毎日モップ掛けしていた。

7万円近く投じてDMを出すも受任ゼロ

ホームページに記事を書いてもドメインが育つまでには(ページ上位に掲載されるまでには)時間を要するので直ぐに問い合わせがあるわけがない。

掃除も良いことだが、モップ掛けをすれば仕事がくるほど甘い世界ではない。

「なんとかしなければ」と思い、動きだしたのがDM発送。

私は開業前から建設業者をメインターゲットに据えていたので、建設会社に新規許可申請のDMを発送しようと考えたのだ。

リストはネットで大分県の新設法人を調べて『建設会社っぽい』社名を拾っていった。

300件ほどリストを集めた。

そしてデザイン制作。『CANVA』という無料で使えるイラスト作成サイトで見よう見まねに作成。

初めてデザインした割には中々の出来栄えで、このときは自分を褒めたいと思った。

デザインが出来上がれば次は印刷だ。知人のデザイン会社に印刷をお願いした。

数日後にDMラベルとDM本体が出来上がったので受け取りに行き、その後は宛名ラベルを1枚ずつDMに貼っていった。

途中腰が悲鳴を上げながらも3時間近くかかってようやく完成。大きめの紙袋に300枚を詰めて近所の郵便局へ。

そのとき驚いたのが送料の高さだ。

1枚発送するのになんと140円もかかると言うのだ。300枚だったら42,000円だ。

自動車ディーラーに勤務していたときは、発送費用が会社が負担していたので送料なんて全く気にならなかったが、自分で出すとなるとこんなにも高いのかと度肝を抜かれた。

結局、DMの印刷代と発送費用などで7万円前後かかってしまった。

しかし300件発送して3件でも受任できれば一発でペイできる。安いものだ、と前向きに考え発送してもらった。

しかし現実は甘くない。

発送から4日経っても電話が鳴らないのだ。いや焦るのはまだ早い。せめて1週間は待ってみよう。

そして10日ほど経った頃に、ようやく1本の電話が鳴った。

「おたく産廃の更新もできるの?」

話を聞くと個人事業主の方で、近々産業廃棄物収集運搬の更新時期が近いらしい。「そっか産廃の更新手続きは5年に1度だったな」

自分で手続きをするのが面倒だから、とDMを見て電話をかけてきてくれたのだ。

「はい、できます!」ようやくこれで1件受任だな、と心の中で声を上げた。

まずは「更新に必要なものリストを送って欲しい」と言うので、リストをメールで送りたいと伝えたところ「メールなんか分からんFAXでくれ」と。

開業前から「FAXの様な不便な機械は絶対に導入しない」と決めていたのだが、仕事の欲しさに承諾してしまった。

仕方がないのでリストを紙で1枚印刷、それを持って5キロ離れた知人の会社に車で行き、頭を下げてFAX1通を送信させてもらった。

再度、依頼者から電話が。「これでお願いしたい」と。

しかし喜びもつかの間、直ぐに不安に切り替わった。

産廃の更新手続きを行うためには多くの書類だし、事務所の実態調査もしなければならないから「一度事務所に行かせて欲しい」とお願いするのだが依頼者は「来てもらうのは困るんだ」との一点張りで、断固として訪問を拒否するのだ。

事務所に来られるのを全力で拒否するところをみると、事務所としての実態がないのかもしれない。

どうにも怪しいし話しも通じないので後日こちらからお断りの電話を入れた。

結局この1件以外に問い合わせは無かった。

残ったのは机の上に広がった『宛先不明』で返却されてきたDMが14枚。誰の手元にも届いていないのだから1,960円捨てたのと同じだ。

会社員の頃はDM発送費用なんて1ミリも考えたことがなかったが「身銭を切るとここまで痛みを感じるものなのか」と落ち込んだ。

同時にディーラー勤務時代の社長に「あの時は経費をたくさん無駄に使ってごめんなさい」と謝罪したくなった。

こうして最初のDM発送作戦は大失敗に終わったのである。

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