観葉植物は一般的にはお手入れが楽で長持ちすると言われている。
しかし私はその観葉植物でさえ直ぐに枯らしてしまうほど、ズボらな人間である。
「どうせ水もあげずに放ったらかしにしてたんだろ」と思ったかもしれないがその逆で、心配性だから多頻度で水を与えてしまう。どうやらそれが植物にとっては悪かったらしい。
事務所を開業したときにお祝いで観葉植物を3本いただいたのだが、直ぐにダメになってしまった。
そして今、最後の1本が息絶えようとしている。
おそらく彼も時間の問題だ。
我が隊の中で1番屈強な兵士だったが、過酷な事務所の環境下において無力化されてしまったようだ。
しかし、事務所に緑が1本も無いのは寂しく感じるものだ。
今まで緑に全く興味がなかったのだが、これまであった物が無くなると少し感傷的な気分に陥ってしまうから不思議である。
だからと言ってまた観葉植物を買ってもどうせ直ぐに枯らしてしまうだろう。
観葉植物にも命がある。貴重な兵士をまた犠牲にするわけにもいかない。
だから次はフェイク品を買うことに決めた。
フェイクなら手入れ不要だから絶対に枯らすことはない。
しかしフェイクの観葉植物なんか買ったことがない。
どんな物があるのだろう?とアマゾンで色々と物色していると良さそうなものを見つけた。
値段も手頃だし、見た目もなかなか良さそうだ。
事務所の応接室を和やかな空気で包んでくれそう。依頼者さんの緊張もこれでほぐれるだろう。
そしてポチっと購入。
到着は2日後らしい。
届いた!デカい!
カッターで慎重に封を開けると、葉っぱが顔を表した。
これだけみると生きた植物が送られてきたように見える。
しまった!横に倒したら土が溢れてしまう!
いや違う、これは観葉植物だ。
漏れるわけがないのだ。
そう思わせるほどフェイクの石は巧妙に造設されていた。
あれっ、なんか想像と違う。
なんかショボくないか?
葉っぱの部分だけ取り出してみる。
写真と違って葉っぱの量が少なくないか?
なんだか不安になってきた。
茎の部分がこれ。
悲しくなるほどショボい。
茎のアップ。
なんだこのカバーは!
葉っぱの根元部分。
よく見ると差し穴がある。
なるほど、ここに茎をジョイントさせろということか。
設置完了!
おぉ~なかなか良いじゃないか!
ぱっと見、全然フェイクに見えない!
封を開けた瞬間はショボ過ぎて焦ったが、こうして事務所の隅に設置してみるとなかなか雰囲気が良い。
来客者もこれがフェイクとは気が付かないだろう。シメシメ
今回初めて観葉植物を設置してみたが、はやり事務所に緑は必要だと思った。
観葉植物には、ストレスや不安の軽減、リラックス効果などがあるらしい。
「いやいやそれフェイク品でしょ?」
関係ない。
フェイク品だろうが、観葉植物っ「ぽい」緑がそこにあることが重要なのだ。
フェイクは一生枯れることがないし、水やりの心配からも開放される。
最高じゃないか。
すっかりフェイク品の魅力に取り憑かれてしまった。
私はもうフェイク品しか愛せない。
残存兵はどうなったのか
ブログの冒頭で「最後の1本が息絶えようとしている」とお伝えしたが、僅かな生命力で必死に生きようとしている兵士の画像がこちらである。
ご覧の通り、全ての葉っぱに活力がない。
色素が抜けている。
生命力を感じない。
このままでは、息絶えるのも時間の問題であることが見て取れるだろう。
命を吹き返す魔法の薬
99%枯れることを覚悟していたのだが、なんでも命を吹き返す魔法の薬(肥料)があるらしい。
この世にそんな魔法の薬があるのならば今すぐ欲しい。1万円払ってもいい。
なにせこの観葉植物は、開業時大切な方からお祝いにいただいたものだから枯らすわけにはいかないのだ。
命を復活させる薬なんだから、お値段もさぞかしお高いんだろうな。
そう思いながら、知人から教えてもらったサイトを恐る恐るひらいてみる。
えっ!?
やすぅ!
500円で命が買えるなんて安すぎるだ。ということで即購入。
届いた!
ちっちゃっ。
封を明けてみる。
ハートの形をした可愛らしい粒が袋いっぱいに詰まっていた。
ラムネみたいで美味しそう。
ラムネを土の上にそっと置いて、あとは水をあげるだけで息を吹き返すらしい。
本当だろうか。
水を上げてもダメ、日光に照らしてもダメだったのに、こんな錠剤を土の上に置くだけで復活するなんて信じがたい。
しかし、何もせずにただただ死を待つより、あらゆる手を尽くさねばならない。衛生兵として。
放置して3日後。
ちょっと復活!!
茎の角度が上を向き、葉っぱの緑色が深みを増してきた!!
すごい!!
画像では分かりづらいかもしれないが、確かに若干元気になってきている。
素晴らしい効果だ。
なお肥料は1ヶ月に1度、与えてあげると良いらしい。
完全復活するのが楽しみだ。
そしてこの先も、よっこい庄一さんのように何十年もたくましく生き残ってほしい。
それにしても科学の力はおそろしいな。