弊所はHPに電話番号を掲載していない。
初回のお問い合わせ方法はメールとLINEの2つに限定している。
ファーストコンタクトをメールとLINEに限定することで得られるメリットは多い
営業電話を防止できる(業務に集中できる)
「ホームページをもっと強化しませんか」
「先生に紹介したい案件がある」
「先生の地区のまわっているので挨拶したい」
開業して、あまりにも営業電話が多いことに驚いた。
電話を切る度に着信拒否リストに追加するのだが、それでも毎日営業電話がかかってくる。
営業会社がゾンビの様に集団感染しているのではないかと思うほどだ。
結局、うんざりして開業から半年ほどでホームページから電話番号を削除した。
その結果、営業電話を9割以上減らすことに成功した。
稀に行政書士会のリストを見ながらかけてくる業者もいるが、こればかりはどうしようもない。
9割減は大成功だ。
おかげで昼寝の、いや仕事の邪魔をされずに済むようになった。
情報だけ聞き出したい人を排除できる
いきなりラーメン屋に電話して「大将レシピを教えてくれ。俺も同じような味で店を開きたいんだ」と言われてレシピを教える人はいないだろう。
常識を疑うだろうが、行政書士事務所ではこの手の電話は実際にある。
「先生、ちょっと教えてほしいんですけどね」と言って、必要書類や書類の書き方だけを無料で聞き出して、あとは自分で申請しようと企む人だ。
しかし長年に渡り試行錯誤を重ねて開発したレシピを安々と教えるわけにはいかない。
この点、電話番号を非掲載にしておけば、レシピの盗人を排除することができる。
依頼者の本気度を計ることができる
些細なことでも電話をかける人は非常に多い。
スマホの普及も要因の一つだ。「電話番号」をワンタップすればいつでも相手が出ると思っている。
しかし問い合わせの手段がメールやLINEの場合はこうもいかない。ほんのチョットの手間が必要だ。
メールなら会社名と電話番号そして聞きたいことを入力、LINEならお友だちを追加して聞きたいことを入力する。
と言っても手間というほどでもない。
「建設業の許可が取れるか知りたい」
「契約書を作りたいので相談したい」
たったこの1文を入力していただけるだけでいい。文字にするとたった15文字です。
逆に言うと、たったこの15文字の入力すら面倒臭いと感じる方は、本気度が低いということだ。
入力フォームから人間性が分かる(クレーム防止)
私は以前、全く別のサイトを運営していたことがあるのだが、そちらのお問い合わせフォームは、あえて氏名のフリガナや会社の住所などを全て入力しなければ送信できない仕様にしていた。
その目的は『人間性の判別』
丁寧な方はアパート名などの入力箇所をキッチリ最後まで記入してくれるのだが、酷い人はわざと住所の入力を途中で止めていたりフリガナ入力が超適当だったりする。
そして問い合わせをくれた方と電話で話す機会があるのだが、話してみると、前者は物腰が柔らかく紳士的な人が多い一方で、後者は横柄な態度を取る人が多かった。
また前者はお願いした提出書類を直ぐに用意してくれるが、後者はいつま経っても揃わなかったり、ようやく揃っても誤字脱字や押印漏れが多かったりする。
その差が非常にわかりやすい。
後者が判明すれば、こちらも相応の対策を取ることができるのでトラブルやクレームを防止できる。
このように入力フォームには、
①顧客の人間性を映し出し
②トラブルやクレームを防止する
Wの効果が期待できる。
受任後の進行がスムーズになる
私は決して「メールやLINEでなければやり取りしない」と決め込んでいるわけではない。
せめて初回の問い合わせだけはメールかLINEでお願いします、と言っているのだ。
人によっては、スマホで文字を打つのが苦手だったり、老眼でスマホの文字が見えづらいという方もいらっしゃる。
実際私も最近老眼を発症して、爪を切るのも一苦労だからお気持ちはよく分かる。
しかし、
せめて初回の問い合わせだけはメールかLINEでお願いします。
たった15文字打つだけでいいです。
詳しい内容は電話でお伺いしますから。
だから、せめて初回の問い合わせだけはメールかLINEでお願いします。
というスタイルを取っている。
そして、実際にメールやLINEを通じて契約に至った方とは、その後のやり取りがスムーズに進むことが多い。
電子的方式で連絡を取ることに抵抗が少ないからだ。
文章を作るのが難しかったり長文になってしまう場合を除き、簡単なやり取りならメールやLINEで済むの方がお互い楽だという共通認識があるのだろう。
むしろ私が電話で話したいときでも、徹底してメールで返信をくださるようなありがたいお客様もいる。
電話対応を減らせばメリットしかない
Xで、某美容外科のポストがバズっていて、とても共感できた。
そのクリニックはホームページから電話番号の掲載を止め、予約フォームも少しだけ複雑化したところ、来院する患者の質が劇的に向上したというのだ。
クレーマーも激減し、スタッフの定着率がアップしたと。
他にも、ヨガスタジオの経営者が電話対応に追われ本来の業務に支障をきたしていたが、予約管理システムを導入後、電話対応90時間削減、クレームゼロを実現したという事例もあった。
本記事で伝えたかったことは正にこれである。
「連絡手段をネットに限定するとか、お年寄りなどの弱者を切り捨てるつもりか!」と怒り狂う人が出てくるかもしれないが、弊所はそもそもお年寄りをホームページのターゲット層としていない。
むしろ「メールやLINEで問い合わせしてくださる方をお客様にしたい」という想いでホームページを運営している。
もっとも私の場合は、旅先でも仕事ができるスタイルを目指しているので必然的に現在の形を取るしかなかった。
せっかくの旅先で頻繁に着信があっては旅を満喫できないじゃないか。
結局、ホームページに電話番号を掲載・非掲載するかは人それぞれだ.。
『理想の経営スタイル』と『顧客満足』の両立ができれば、何も言うことはない。